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日清オイリオ、JFEエンジのコージェネシステム 2工場に設置

 日清オイリオグループは横浜磯子事業場(横浜市磯子区)と名古屋工場(名古屋市港区)の2工場に、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)の熱電併給(コージェネレーション)システムを設置することで同社と合意した。

 コージェネで両工場の電力をまかなうと同時に、余った電力を堺事業場(堺市西区)と水島工場(岡山県倉敷市)の2工場へ融通し、会社全体で二酸化炭素(CO2)排出量の削減と電力の安定供給を図る。

 CO2排出量は2015年度比で約17%削減できる見込み。2工場へのコージェネシステムの金額は約50億円で、JFEエンジが負担する。

【参考リンク】
http://www.nisshin-oillio.com/company/news/archive/2017/20171013_121254.shtml

http://www.jfe-eng.co.jp/news/2017/20171013080818.html

http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/regulations/pdf/20131206004-5.pdf
日刊工業新聞2017年10月16日一部加筆
江原央樹
江原央樹 Ehara Hiroki 日本能率協会コンサルティング
本取り組みは、「自家用発電設備を有する者が、当該発電設備を用いて発電した電気を、一般電気事業者が維持し、及び運用する送配電ネットワークを介して、当該発電設備を設置する者の別の場所にある工場等に送電する際に、当該一般電気事業者が提供する送電サービス(自己託送に関する指針、2016年4月1日資源エネルギー庁より抜粋)」、通称、自己託送制度に基づき行われるものだ。端的に言えば、自社工場等で余った電気や熱を他の地域の自社工場等で利用することであり、電力システム改革の一環で地域間の垣根がなくなったことにより実現が可能になったものだ。類似の事例は、他にも日立製作所などが取り組んでいるが、今回、特定供給の制度も活用し、需要側の日清オイリオグループ(以下需要側)に対し、供給側のJFEエンジニアリンググループ(以下供給側)が電力の供給および需給調整のサービスを提供しエネルギーの効率的利用をする点ならびにコージェネ設備を供給側が需要側の敷地内に保有し、一連のエネルギーサービスの対価からその費用を回収することで需要側の日清オイリオグループの初期投資負担がほとんどない点が特徴的である。電力・熱の供給および需給調整のサービスを一括して行うアウトソーシング事業ならびにエネルギーを消費する側の初期投資の負担を軽減しながら地域間でエネルギーを融通しCO₂排出量削減およびエネルギーコスト低減を実現する具体的なモデルとして、今後も注目していきたい。

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