印刷市場の縮小にどう対応する?大日本印刷社長インタビュー

 ―印刷市場が縮小する中、どんな取り組みに力を入れますか。

 「紙とデジタルを組み合わせたサービスの提供をしていかないと、事業は縮小してしまう。そこで受注体質から能動体質へ、社員の意識の変革が必要だ。さらにBツーC(対消費者)の意識を持って、BツーB(企業間)事業に取り組むことも重要。そうした意識がなければ、BツーB取引であっても顧客に良い提案ができないし、良い開発もできない。売り上げに占めるBツーC事業の割合は今は1割に達していないが、今後はもう少し高まっていくと思う」

 ―2019年10月に消費増税が予定されています。

 「消費増税は日本経済に与えるマイナスの影響が大きいと思う。回り回って当社にもマイナスの影響があるのではと考えている。得意先企業の製品が売れなくなった場合に影響が出てくる。全般的に景気が落ちないような対策について、政府を含めて考えていくしかないのではないか」

 ―19年5月の改元、20年東京五輪・パラリンピックも経営に影響を与えそうですね。

 「前回の改元の経験を踏まえて西暦で表示する企業も増えているため、30年前に比べて影響は少なくなっていると思う。五輪については、チケットや身分証明書など今まで以上にセキュリティー性を高めた印刷サービスを提供したい」

 ―出版印刷以外の分野に進出した“第2の創業”に次ぐ、第3の創業が必要な理由は。

 「従来は当社に求めるモノについて得意先自身が答えを持っていた。それに対し、当社はどんなに難しいモノでも開発し提供してきた。だが社会が大きく変わり、明確な発注をしてもらえる時代ではなくなった。生活者が求めるモノを我々自身が開発していかなければ成長できない。新しい価値を提供して、社会になければならない存在になるのが第3の創業だ」

日刊工業新聞2018年8月10日

平川 透

平川 透
08月10日
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大日本印刷はこれからを見据えた事業が多彩です。次はどんな事業をおこすのでしょうか。

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