仮想通貨67億円流出、業界各社は緊急点検へ
不正送金、主な手口は個人アカウントへの不正アクセス
仮想通貨交換業者のテックビューロ(大阪市西区、朝山貴生社長、06・6533・2230)は20日、外部からの不正アクセスにより、仮想通貨「ビットコイン」などが流出したと発表した。流出額は67億円相当とみられる。経営陣は責任を取り退任する。また、フィスコのグループ会社など2社に資金・技術面での支援を取り付けた。1月のコインチェック(東京都渋谷区)による巨額流出に続き、仮想通貨交換業者のセキュリティーの甘さが改めて浮き彫りになった。
テックビューロによると、今月14日17時から19時ごろまでの間、サーバーに外部からの不正なアクセスが行われ、67億円相当とみられる資金が引き出された。このうち顧客の預かり資産に相当する仮想通貨は約45億円で、残りは自社の資産。被害額はすべて把握できておらず確定次第、速やかに発表する。今後、安全対策の強化、サーバーの再構築を行うが再開時期は未定。
テックビューロは同日、他の交換業者を傘下に持つフィスコと、資本提携を検討する基本契約を結んだ。フィスコは子会社を通し50億円の金融支援を行う方向。テックビューロはこれを顧客資産の返還原資とする。株式の過半数を取得するほか役員も派遣する。さらに被害額が変動した場合、金融支援額を再度検討する方針だ。
一方、金融庁は20日テックビューロに対し、同日中にも立ち入り調査を開始することを決めた。これまで2度業務改善命令を出しているが、セキュリティーの弱さを再び露呈したことを厳しく受け止め、検査次第ではさらなる行政処分も視野に入れる。日本仮想通貨交換業協会の奥山泰全会長は同日、再発防止に向けて「協会から全会員に対して、仮想通貨管理業務の緊急点検の実施を要請した」ことを明らかにした。
ビットコインなどの仮想通貨が利用者のアカウントへの不正アクセスにより盗み取られる被害が、今年上半期(1―6月)に前年同期の3倍を超える158件確認されたことが20日、警察庁のまとめで分かった。被害額は、1月に仮想通貨交換業者のコインチェック(東京都港区)から流出した約580億円を含め計約605億円に上る。
小此木八郎国家公安委員長は20日の記者会見で、「サイバー空間の脅威は依然深刻だ。引き続き職員の能力向上を図るとともに国際連携、官民連携を一層推進し、安全が確保されるよう警察を指導していく」と述べた。
上半期に被害に遭った仮想通貨は、ビットコイン(94件)やリップル(42件)、イーサリアム(14件)など。
利用者のパソコンをウイルス感染させるなどしてIDとパスワードを入手し、個人アカウントに不正アクセスするのが主な手口。158件のうち102件では、被害者が他のインターネットサービスと同じID・パスワードをつかっていた。
テックビューロによると、今月14日17時から19時ごろまでの間、サーバーに外部からの不正なアクセスが行われ、67億円相当とみられる資金が引き出された。このうち顧客の預かり資産に相当する仮想通貨は約45億円で、残りは自社の資産。被害額はすべて把握できておらず確定次第、速やかに発表する。今後、安全対策の強化、サーバーの再構築を行うが再開時期は未定。
テックビューロは同日、他の交換業者を傘下に持つフィスコと、資本提携を検討する基本契約を結んだ。フィスコは子会社を通し50億円の金融支援を行う方向。テックビューロはこれを顧客資産の返還原資とする。株式の過半数を取得するほか役員も派遣する。さらに被害額が変動した場合、金融支援額を再度検討する方針だ。
一方、金融庁は20日テックビューロに対し、同日中にも立ち入り調査を開始することを決めた。これまで2度業務改善命令を出しているが、セキュリティーの弱さを再び露呈したことを厳しく受け止め、検査次第ではさらなる行政処分も視野に入れる。日本仮想通貨交換業協会の奥山泰全会長は同日、再発防止に向けて「協会から全会員に対して、仮想通貨管理業務の緊急点検の実施を要請した」ことを明らかにした。
不正送金、上期3倍超〈警察庁まとめ〉
ビットコインなどの仮想通貨が利用者のアカウントへの不正アクセスにより盗み取られる被害が、今年上半期(1―6月)に前年同期の3倍を超える158件確認されたことが20日、警察庁のまとめで分かった。被害額は、1月に仮想通貨交換業者のコインチェック(東京都港区)から流出した約580億円を含め計約605億円に上る。
小此木八郎国家公安委員長は20日の記者会見で、「サイバー空間の脅威は依然深刻だ。引き続き職員の能力向上を図るとともに国際連携、官民連携を一層推進し、安全が確保されるよう警察を指導していく」と述べた。
上半期に被害に遭った仮想通貨は、ビットコイン(94件)やリップル(42件)、イーサリアム(14件)など。
利用者のパソコンをウイルス感染させるなどしてIDとパスワードを入手し、個人アカウントに不正アクセスするのが主な手口。158件のうち102件では、被害者が他のインターネットサービスと同じID・パスワードをつかっていた。
日刊工業新聞2018年9月21日