塗料メーカーの挑戦!世界最速レースに参戦する狙いとは

成長のカギを握るチャレンジ精神

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塩湖の跡地で行われるレースはさび止め塗料の効果を実証する絶好の機会だ(宮原社長(右)と宮城氏)
 「自分たちの力で自社商品の効果を実証したい」―。BAN―ZI(千葉市花見川区、043・307・3339)の宮原万治社長の強い思いから、同社は米国で開かれる世界的に有名なモーターレースに「チームBAN―ZI」として参戦する方向で最終調整に入った。さび止め塗料を中心とする商品の海外展開を急ピッチで進める中、国際的にブランド力を高めるのが狙いだ。

絶好の機会


 BAN―ZIがチームを送り込む見通しのレースは、ユタ州のボンネビル・スピードウェイで毎年8月に開かれる「ボンネビル・スピードウィーク」だ。世界最速を競うレースであるとともに、会場が金属がさびやすい塩湖の跡地であることから、特にさび止め塗料の効果を実証する絶好の機会となる。
 同社は4年間にわたり、同レースの出場チームに商品を無償で提供し、海外でブランディングに取り組んできた。米国ではカリフォルニア州ロサンゼルスに現地法人を設立し、ハワイ州で販売を始めるなどグローバル展開を加速する中で、自らが率いるチームで商品の効果を実証した方が訴求力があると判断した。
これまでのように提供チームからのヒアリングではなく、自らの手で厳しい環境下での自社商品の有効性を検証する狙いもある。
 パートナーはレーサーなどとして世界的に活躍する宮城光氏だ。実績のある専門家の知見を活用しながら、資金調達の方法や他のパートナーの選択、どの部門に出場するかなど最終的な調整を進めている。

挑戦姿勢の証


 今回の狙いは、商品の認知度をグローバルに向上させることだけではない。宮原社長は同レース参戦について「チャレンジしている証になる」とし、挑戦する企業の姿勢を優秀な人材の採用にも結び付ける考えだ。現在、同社の従業員は15人で、事業が急速に拡大する中、19年内には30人体制にする。
 このような大きな取り組みの一方で、商品を堅実に販売していくチームづくりもスタートした。業界別にチームを編成し、業界ごとに集中的に営業攻勢をかけて拡販する。これらの取り組みにより、18年12月期の売上高で前期比3倍の9億円を目指す。

自動車向けにも


 これまで業務用では空調や船舶、建築向けを中心に展開していた。今後は水性で人体への影響や火災など危険性がないという特性を生かし、食品工場や住宅向けなどにも供給する。市場が大きい自動車やプラントもターゲットだ。
 各業界に精通した従業員を配置して、市場に合った方法で販売を進める。また商品パッケージなどもそれぞれの市場に合わせる。海外とともに国内展開を本格化することで、20年12月期に20億円の売上高を達成する計画だ。
(文=千葉編集委員・中沖泰雄)

日刊工業新聞2018年9月21日

COMMENT

同社のさび止め塗料は通信販売サイトやホームセンターでは売れ筋の商品となっている。しかし、宮原社長の認識は「まだまだ知られているとはいえない」と厳しい。その危機感が成長の原動力になっているといえそうだ。(中沖泰雄)

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