大評判「ジムニー」、開発者の本音

技術だけでなく見た目も「原点回帰」

●スズキ四輪商品第二部チーフエンジニア・米澤宏之氏

 1998年発売の3代目モデルから約20年ぶりの全面改良。キーワードとしたのは「原点回帰」。スズキを代表するモデルとして継承すべき点、新しくするべき点を明らかにして開発を進めた。

 やや街乗りにシフトした前モデルから打って変わり、林業従事者やハンターなどのプロユーザーを顧客に設定した。狭い道を走るためのコンパクトさや見切りの良さ、山崩れなど万が一の時の走破性の高さを追求した。

 はしご状のフレームの上に車体を載せるラダーフレーム構造や縦置きエンジンなど、基本構造は歴代ジムニーを継承し進化させた。フレームにはX字型クロスメンバーを設置し、ねじり剛性を高めたほか、上下の振動を軽減するマウントゴムを従来より大きくして操縦安定性を高めた。

 新技術のブレーキLSDトラクションコントロールでは、空転した車輪にだけブレーキを作動させることでその他の車輪の駆動力を確保し、ぬかるみからの脱出性能を高めた。さらに悪路走行時のステアリングへのキックバックを低減して運転者の負担を軽くするステアリングダンパーも初めて採用した。

 また、技術だけでなく見た目も「原点回帰」を意識しワイルドさを強調した。ピラーを前モデルよりも立てて直線的なデザインにした。雪深い地域での走行も想定してカウルの穴の大きさも最小限に抑えた。ボディーの色は国内外の森林組合やプロハンターにアンケートを取り、自然との一体感を意識した「ジャングルグリーン」と、森林管理などで着る安全ベストをイメージした「キネティックイエロー」の2色を新たに設定した。

 エンジンはジムニー向けにチューニングしたR06A型ターボエンジンを搭載。使用実態に近づけた燃費表示基準「WLTCモード」の燃費は1リットル当たり最大16・2キロメートル。小型車のジムニーシエラには燃費性能や出力・トルクを高めた新開発の排気量1500ccエンジンを搭載した。

 ジムニーは軽4輪車のクロスカントリーモデルとしてこれまで独自の地位を築いてきた。20年のモデルチェンジにふさわしいモデルとして自信を持って市場に投入する。

日刊工業新聞2018年7月24日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月26日
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初代、2代目モデルをほうふつとさせる角張ったデザイン。「今まで旧型に乗っていた人も食いついている」(販売店)とマニアの間でも評判が高い。一方、ジムニーシエラは従来モデルより大型化、海外での販売拡大も狙う。パワートレーンについては環境規制強化を受け、今後ハイブリッド車(HV)の設定も予想される。
(日刊工業新聞浜松支局・竹中初音)

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古川 英光
古川 英光
07月27日
見た目大切! 「技術だけでなく見た目も「原点回帰」を意識しワイルドさを強調した。ピラーを前モデルよりも立てて直線的なデザインにした」
  

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