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17年ぶりのハッチバック、「カローラ復権」へ開発者の本音

「カローラスポーツはコネクテッドカーの一番バッター」
17年ぶりのハッチバック、「カローラ復権」へ開発者の本音

カローラスポーツの託されたものとは?(トヨタ公式ページより)

【ミッドサイズビークルカンパニーMS製品企画ZEチーフエンジニア・小西良樹氏】

 カローラスポーツはハッチバックスタイルで、12代目のカローラシリーズのトップバッターとなる。国内ではセダンのカローラアクシオはお客さまの平均年齢が70歳、ワゴンのカローラフィールダーが同60歳。比較的、年配の方にご愛顧いただいているが、カローラスポーツは若者にも響く商品にしたいという思いで開発した。

 ターゲットユーザーの20―30代の男女やカップルに響くように一つはコネクテッド、もうひとつはクルマ本来の楽しさであるデザインや走りの2軸によるクルマづくりをした。

 高級セダン「クラウン」とともに、カローラスポーツはトヨタ自動車が本格展開するコネクテッドカー(つながる車)の一番バッターとなる。人やクルマ、社会がつながることで今まで以上に安全・安心、快適・便利な世の中が加速していく。ほとんどの若者はスマートフォンを使っているので、コネクテッドは打ち出すべきアイテムだった。

 デザインでは、フロントはフードやボンネットがラウンディッシュ(丸みを帯びた)な造形で、ヘッドランプは薄型でシャープな印象にした。グリルには台形を用いて低重心感を出している。リアからの見栄えはラグビーボールのような塊感のある意匠にし、さまざまなキャラクターラインが後ろのトヨタマークにつながるような工夫もした。スポーツシートは今回から新規開発し、初導入した。しっかり(身体を)ホールドして疲れにくいシートに仕上げた。

 新設計思想「TNGA」のプラットフォーム(車台)はハイブリッド車(HV)「プリウス」と小型スポーツ多目的車(SUV)「C―HR」とほぼ同じ。C―HRからの変化はステアリング(操舵装置)の剛性向上や新開発のアブソーバー(緩衝器)の搭載など。TNGAは常に進化している。世界五大陸で100万キロメートル走行し、走りも熟成した。

 第2世代の衝突回避支援パッケージ「トヨタ・セーフティー・センス」も標準装備しており、技術を大衆化するという役目も担っている。カローラは(2001年まで)国内で33年間、車名登録1位だった。ハッチバックは17年ぶりの復活で、いま一度「カローラ復権」という思いがある。
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
もともとスポーティーなクルマとして誕生したカローラ。これまで「レビン」や「86(ハチロク)」などに派生したが、今回はそのうちの一つの「オーリス」がカローラシリーズに戻った格好。カローラのセダンとワゴンの全面改良も控えているため、ハードルは高いが若い顧客層の開拓の先兵として重責を担う。 (日刊工業新聞名古屋支社・今村博之)

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