エレベーター世界統一、三菱電機の野望
設計標準化で規模のメリット追う
三菱電機は2020年度までに、海外のエレベーター市場に「世界統一機種」を投入する。アジアの新興国を中心に市場の裾野が広がり、従来より安価な機種が求められていることが背景にある。エレベーターは国ごとに安全規制が異なり、統一機種の展開は難しかった。これまで地域ごとに設計し、「適地販売」を展開してきたが、設計の標準化を進めたグローバル機種の開発に乗りだし、規模のメリットも追う。
三菱電機は93カ国でエレベーターの受注実績がある。高価格帯の製品を中心に供給している。
中国、インドでは幅広い需要に対応するため、2ブランド体制を敷く。主に中価格帯以上を対象にしているが、伊藤泰之専務執行役ビルシステム事業本部長は「その下」の機種の必要性を説く。「2ブランド体制でこれまでより安い製品を供給しているといっても、市場全体では決して安いわけではない」。
世界規模での市場の拡大に伴い、安い機種の需要の高まりも見込まれる。ボリュームゾーン攻略に向け、従来よりも低価格な機種が必要になりつつある。
エレベーターは「究極の適地販売の商品」と言われてきた。地域ごとに安全規制が異なるため、通常、それぞれ設計し、販売する必要があるからだ。そのため、規模のメリットが効きにくい事業でもある。
三菱電機が開発に着手した「世界統一機種」は複数の国での展開を前提としている。規制対応に必要な部分以外で共通化できる構造部を洗い出し、機能を簡素化した共通プラットフォーム(基盤)の開発を進める。国ごとに微調整して販売する方針だ。部品の共通化を進め、調達費の低減にもつなげられ、従来より安価な商品を実現する。
伊藤専務執行役は「安くても当社が保守を手がけることで、顧客に安全性も訴求したい」と語る。三菱のブランドを守りつつ、保守も手がけることで、収益基盤を固める狙いもある。同社の推定では、世界のエレベーターの新設需要は2015年の98万台から2020年には107万台にまで増える。市場成長率は鈍化傾向をたどるが、長期的には新興国を中心に拡大傾向を示す。
日本メーカーでは、三菱電機としのぎを削る日立製作所も、設計の標準化を徹底した機種を開発する方針だ。機種のラインアップに厚みを持たすことで、海外市場を深掘りする。
伊藤専務執行役は「詳細な投入地域は今後詰める」とする一方、当初は「生産拠点を持つ地域でコスト競争力を最大限に発揮できるようにする」と語る。
三菱電機は93カ国でエレベーターの受注実績がある。高価格帯の製品を中心に供給している。
中国、インドでは幅広い需要に対応するため、2ブランド体制を敷く。主に中価格帯以上を対象にしているが、伊藤泰之専務執行役ビルシステム事業本部長は「その下」の機種の必要性を説く。「2ブランド体制でこれまでより安い製品を供給しているといっても、市場全体では決して安いわけではない」。
世界規模での市場の拡大に伴い、安い機種の需要の高まりも見込まれる。ボリュームゾーン攻略に向け、従来よりも低価格な機種が必要になりつつある。
エレベーターは「究極の適地販売の商品」と言われてきた。地域ごとに安全規制が異なるため、通常、それぞれ設計し、販売する必要があるからだ。そのため、規模のメリットが効きにくい事業でもある。
三菱電機が開発に着手した「世界統一機種」は複数の国での展開を前提としている。規制対応に必要な部分以外で共通化できる構造部を洗い出し、機能を簡素化した共通プラットフォーム(基盤)の開発を進める。国ごとに微調整して販売する方針だ。部品の共通化を進め、調達費の低減にもつなげられ、従来より安価な商品を実現する。
伊藤専務執行役は「安くても当社が保守を手がけることで、顧客に安全性も訴求したい」と語る。三菱のブランドを守りつつ、保守も手がけることで、収益基盤を固める狙いもある。同社の推定では、世界のエレベーターの新設需要は2015年の98万台から2020年には107万台にまで増える。市場成長率は鈍化傾向をたどるが、長期的には新興国を中心に拡大傾向を示す。
日本メーカーでは、三菱電機としのぎを削る日立製作所も、設計の標準化を徹底した機種を開発する方針だ。機種のラインアップに厚みを持たすことで、海外市場を深掘りする。
伊藤専務執行役は「詳細な投入地域は今後詰める」とする一方、当初は「生産拠点を持つ地域でコスト競争力を最大限に発揮できるようにする」と語る。
日刊工業新聞2018年8月22日