五輪採用を目指しプロ仕様に磨きをかける「滑り止め」と「人工芝」

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「GRASP」は、本気でつかみに行く意思を反映させたブランド…とグリーンテクノ21の下社長
 東京五輪・パラリンピックで追加種目となったスポーツクライミング。ホールドと呼ばれる部分をつかんで壁を登る競技だ。グリーンテクノ21(佐賀市)は卵殻を混ぜた滑り止め(チョーク)「GRASP(グラスプ)」を製造・販売している。下浩史社長は「五輪での使用も十分あり得る」と自信をのぞかせる。

 2017年11月の発売ながら全国のボルダリング施設に採用を広げている。多孔質の卵殻を含ませることで汗を吸収し、高いグリップ感を実現する。湿り気のある手や乾燥肌など競技者の肌質によって変えられるよう数種類を用意。全国のジムでの普及を目指し、粉を球体のバッグの中に詰め飛散を防ぐ「チョークボール」など新製品開発にも積極的だ。

知名度高める


 チョークはアドバイザー契約したプロフリークライマーの意見をもとに改良する。「誰にでもフィットする究極のチョーク」(下社長)を目指し、開発を続ける。現段階では業界団体への働きかけは実施していないが、ジム主催のイベントに協賛するなどして知名度を高めている。今後は「世界ランカーの方にも試用してほしい」(同)と、次の展開を視野に入れる。

 中小企業が挑むのは競技用品に限らない。化成品メーカー、テクノ月星(福岡県うきは市)の「バイオクッション」は人工芝のクッション材として30年以上進化を続ける。サッカーやラグビーの競技会場となる味の素スタジアム(東京都調布市)やプロ野球のドーム球場での採用などスポーツでの実績は折り紙付き。さらなる改良に磨きをかけている。

人工芝のクッション材として30年以上進化する「バイオクッション」

 バイオクッションは跳躍での着地や転倒など激しいプレーに耐える衝撃吸収性が特徴。樹脂を発泡させる独自技術と団子型の形状で厚みを持たせた構造でクッション性を高めた。秒速3メートルの衝撃速度での耐久性を持っている。

キャンプ施設に


 スポーツの現場で実績を重ねているが、井上定男社長は「(五輪を目指すには)もう一段高めなければならない」と口にする。

 現場の要求を基に現在取り組んでいるのが、秒速4メートルの衝撃速度への耐久性。団子形状の大型化やクッション内部に織り込む補強ネットとの組み合わせなどを検証しながら強化を進めている。

 近年はキャンプ施設内の屋内練習場などにも導入を広げる。井上社長は「プロ仕様の性能で応えてきた実績を生かし、さらなる要求に応え続けたい」と意欲をみせる。

日刊工業新聞2018年8月17日

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連載「オリンピックへの道 「出場」目指す中小製品4」今回が最終回でした。

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