スバル、米国に戦々恐々

追加関税に警戒、新車市場は競争激化

 SUBARU(スバル)の岡田稔明取締役専務執行役員は米トランプ政権が自動車や自動車部品の追加関税を検討していることについて「米国は当社にとって最重要市場で、生産や価格への影響について調査を進めている」話す。スバルは米国販売の約半分を日本からの輸出に頼っており実際に発動された場合、日系自動車メーカーの中でも経営への影響が大きいとされている。一方、米のアルミ・鉄鋼の追加関税の影響については「現地調達が進んでおり軽微」という。

 2018年4―6月期の連結決算は営業利益が前年同期比51・8%減の575億円と大幅に減少した。スポーツ多目的車(SUV)「XV」など新型車の投入効果が一巡したほか、販売奨励金や米国を中心に品質に関するクレーム費が増加したことが響いている。

 売上高は同12・9%減の7092億円。世界販売は同12・3%減の23万8000万台だった。北米は主力SUV「フォレスター」の新型が投入前だったことなどから同12・6%減の16万6000台。日本は同28・5%減の2万9000台と伸び悩んだ。通期業績、世界販売計画は新型車の投入効果などが見込めるため共に据え置いた。

 しかし得意な米国の新車市場は17年からゆるやかに減少する見通しで、当面は大きな市場成長はみこめない。スバルが強みを持つSUVは原油安を背景に人気が集中しており、自動車各社との競争が激化の一途をたどる。トランプ政権の関税引き上げが実現すれば、日本からの輸入の比率が高いスバルにとって大きな打撃となる。

 対策として米国の中でもスバル車のシェアが低い南部の「サンベルト」地域で販売店網を拡充する。米国事業を長く統括してきた中村知美社長「まだまだフロンティアの市場」とみる。販売店も増やし、米国での販売を積み上げていく考え。

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
08月09日
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「年間の米国市場全体が1700万台としてシェア5%=85万台に挑戦する」(中村社長)と意気込むが、米国依存リスクはさらに高まっている。
(日刊工業新聞・下氏香菜子)

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