製造現場のSI人材が足りない!

 人手不足の解消や生産効率アップのために、国を挙げてロボット導入が推進される中、ロボットを動かすシステムを構築するシステムインテグレーター(SI)が足りない。ロボットシステムの構築サービスを外部に提供する企業には深刻な課題だが、外国人の採用や社内人材の配置転換といった独自の工夫で乗り越えようとしている。(姫路支局長・丸山美和)

企画・運用不足


 本社工場で約130台のロボットが稼働する自動車用ホースメーカーのニチリンは、ロウ付けや切断など30種類以上の作業をロボ化して得たノウハウを社外に販売している。

 同社にいる約50人のSIはロボットの導入企画、設備設計、施工・運用、設備保全の4分野に分かれる。前田高男上席執行役員姫路工場長はこのうち「導入企画と運用の人材が足りない」と説く。

国籍問わず


 対策として設備設計のSIに導入企画の手法を教育することにした。施工・運用のSIは、3年前に中国出身の電気技術者が入社したほか、ハノイ工科大を卒業したベトナム人、マレーシア人をそれぞれ1人、7月までに採用した。「日本人にこだわっていては数を確保できない。優秀であれば国籍は問わない」(前田工場長)との考えだ。

 大手電機メーカーの生産技術部でロボット導入の経験がある退職者を雇用し、社内の若手SIの育成にも取り組む。人材紹介会社を通じたSI採用も継続中だ。外注先を増やすため、システムを構築できる設備設計会社や生産設備メーカーなども常に探している。

人員2倍目指す


 グローリーも同じくSI人材の不足に悩む。2020年度に現状比2倍の60人体制を目指しており、新卒や中途採用のほか、社内公募で3人をSIに転向させた。特に顧客の要望を聞いてロボットシステム導入の企画をまとめられる人材が足りず、設備設計者に教育を施している。

 外注先の確保の面では、自動車エンジン関係の生産ラインを構築する中小の設備メーカーに注目する。中小のSIは取引先が固定化していることが多いが、「自動車の電気自動車(EV)化で仕事量が減る可能性があり、これからはロボットシステムのインテグレーターになるのではないか」(飛田昭夫ロボットSI事業推進P/T企画営業部長)とみて、開拓する。

日刊工業新聞2018年8月1日

平川 透

平川 透
08月02日
この記事のファシリテーター

省人化や人のサポートなどのためにロボットや人工知能が発達してきているわけですが、人をもっと働かせるための人工知能だったり、ロボット導入のためにまず人が必要だったみたいな、ちょっと皮肉な現象もみられており、まだまだだなあと思いつつ大きな市場があるようにも思います。

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関口 巽
関口 巽
08月02日
>ちょっと皮肉な現象もみられており
ロボット導入で生産ラインの人員は減ったりと、新たに人手が必要な部分と省人化される部分は異なる。
平川氏のような短絡的な思考ではなく、大局的な視点での効率化が重要だろう。
  

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