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動物愛護で変わる縁日の風物詩

ひよこは廃れカブトムシが人気、金魚すくいは根強く残る
 盛夏を迎え、子どもたちが待ち焦がれた夏休みが始まった。この時期、昔から大人を悩ませるのが縁日でねだられる生き物たち。かつて人気だったひよこは動物愛護の観点から廃れたが、代わってカブトムシが人気らしい。

 一方で金魚すくいはいまだ根強く残っている。赤や黒の金魚がゆらゆらと泳ぐさまに涼を感じる。江戸時代後期には、すでに庶民にも人気だったことが記録に残っている。

 金魚の先祖はフナの一種で、人為的に多くの品種が生み出された。古く室町時代には中国から持ち込まれており、今では和金や出目金、らんちゅうなどが人気だ。日本だけでなく世界中で観賞魚としてめでられている。

 短命と敬遠されがちだが、案外強い。カルキを抜いた水道水を用意する、すくった後は時間を置かず自宅に持ち帰る、数日間ストレスとえさを与えず静かに見守る。水と酸素管理を怠らなければ数年、うまくいけば10年近く生きる。

 温暖化の影響か、各地で最高気温35度Cを超える猛暑日が続いている。退社後の冷たいビールも格別だが、たまには早く帰宅して、子供たちと夏休みの宿題を兼ねた飼育観察に取り組んでみてはいかがだろう。うまくいけば尊敬のまなざしが熱いかも?
日刊工業新聞2018年7月26日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
そういいえば子どもの頃、カラーひよこが普通にいましたね。

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