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「RAV4」VS「アルティマ」VS「フォレスター」、注目度が高いのは?

各社が戦略車をNY自動車ショーで披露、売れ行きが収益に直結
「RAV4」VS「アルティマ」VS「フォレスター」、注目度が高いのは?

「RAV4(米国仕様)」

 トヨタ自動車はニューヨーク国際自動車ショーで、2018年末の米国発売を予定する新型スポーツ多目的車(SUV)「RAV4(米国仕様)」などを初披露した。30日から一般公開される。新型RAV4にはトヨタの新設計思想「TNGA」を適用し、操縦安定性と乗り心地を大幅に向上させた。今夏に日米で発売するハッチバック車「カローラハッチバック」も出展する。

 初代のRAV4は1994年の発売で新型は5代目となる。排気量2500ccの直列4気筒直噴エンジンやハイブリッドシステムを設定した。第2世代の予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティー・センス」を標準装備して安全性能も高めた。

 RAV4は17年に世界販売が80万台を超え、米国販売は過去最高の約41万台を達成し、中型セダン「カムリ」を抜いて米国で最も販売台数が多いトヨタ車となった。日本での販売も19年春ごろに再開する。

 カローラハッチバックは米国では「カローラiM」の後継モデルとなる。TNGAの適用で新開発した排気量2000ccエンジンや無段変速機(CVT)を導入する。

 一方、日産自動車はセダンの新型「アルティマ」を世界初公開した。世界初の量産型可変圧縮比(VCR)エンジンを含む二つの新型エンジンを導入したほか、4輪駆動システムを初採用した。米国での今秋の投入を皮切りに、今後数年間でほかの国にも展開する。

 排気量2000ccの直列4気筒VCRターボエンジン車と、同2500ccの直列4気筒エンジン車で構成。VCRエンジン搭載車は、V6ガソリンエンジンと並ぶ動力性能を持ちつつ、4気筒エンジンと同等の低燃費を実現した。また、高速道路の単一車線での自動運転技術「プロパイロット」も搭載した。
新型「アルティマ」

 またSUBARU(スバル)は新型スポーツ多目的車(SUV)「フォレスター(米国仕様)」を世界初公開した。スバル車で初となる乗員認識技術を採用。ドライバーの顔を認識し、居眠りや脇見運転を検知し安全運転を促したりシートや空調を自動調整したりする。米国では秋に投入する。日本での発売時期は未定。

 フォレスターは約5年ぶりの全面改良となる最量販車種。現行モデルよりホイールベースを3センチメートル拡大しながらも最小回転半径が5・4メートルとほぼ同等に抑えて、取り回しの良さを維持した。

 新開発の排気量2500cc水平対向4気筒直噴エンジンを搭載する。サイズは全長4625ミリ×全幅1815ミリ×全高1730ミリメートル。運転支援システム「アイサイト」を標準搭載する。
米国に今秋投入する新型フォレスター
日刊工業新聞2018年3月30日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
北米市場が停滞する中、各社の戦略車がどこまで売れるかで収益全体にも響いてくる。

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