シャープの音声対話AIは応答1秒未満

公共施設や商業施設の道案内システムなどで提案

 シャープは人同士の会話のように回答がなめらかな音声対話型人工知能(AI)を開発した。利用者がマイクなどに質問してから応答するまでの時間を1秒未満に短縮。利用者が話し始めた瞬間から、音声認識や意味の分析を始めるなどの工夫により実現した。一般の対話AIは応答に2―3秒かかるため、違和感を覚える利用者もいる。公共施設や商業施設の道案内などに使うAIシステムとして提案する。

 シャープが開発した音声対話型AIは、日本語と英語、中国語に対応する。自社のデジタルサイネージ(電子看板)を組み合わせ、音声に加えて地図や写真、映像を使いながら行き先を示す仕組みも確立した。

 一般的に、これまでは利用者が話し終わってから、対話AIが意味の分析を始める。シャープの対話AIは、インターネットを通じサーバー側で情報処理するクラウドコンピューティングを利用。サーバーとの通信にも時間がかかるため、従来は応答時間を1秒以内に抑えるのは難しかった。

 シャープは対話AIに、質問と回答のセットを事前に用意しておく「シナリオベース」方式を採用。対話を自動的に学習していくような機能はないが、複雑な情報処理を必要としないため、応答時間の短縮につながる。

 対話AIはパナソニックをはじめとする他の電機メーカーのほか、NTTなど通信会社も開発を進めている。米国のグーグルやアマゾン・ドット・コム、IBMといった海外企業は、多額の研究開発費を対話AIに投じている。その中でシャープは応答時間の短さや、音声と画像を組み合わせた回答など、使い勝手を高めて差別化する。

日刊工業新聞2018年7月10日

葭本 隆太

葭本 隆太
07月10日
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グーグルアシスタントやアレクサの回答までの時間はどれくらいなのでしょう。確かに問いかけの後に一瞬、間がある気がします。その微妙な差は今後、対話AIの競争力を左右してくるのでしょうか。

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