LIXILの“IoT住宅”実証スタート、進化の先

ネット家電との連携、大量のデータ取得して解析・パターン化を

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大型ディスプレーだけでなく、スマートフォンで家中の様子を知ることもできる
 LIXILはIoT(モノのインターネット)を導入した一戸建て住宅「U2―HomeII(ユースクウェアホームツー)」の実証実験を始めた。家中にセンサーのネットワークを張り巡らせ、住環境に大きく影響する「温熱」や「空気」など四つの要素を総合的に制御し、四季を通じた快適な住まいのあり方を探る。大手ハウスメーカーやゼネコンなどにも公開し、技術の実用化を目指す。(斎藤正人)

 東京都江東区の事業拠点内でモデルルームとして活用していた既築住宅に大規模な改装を施し、研究施設とした。間取りは約20年前の新築当時のままとし、住環境におけるさまざまな課題を見つけやすくした。

 前身となった研究施設「U2―Home」は今回同様に一戸建て住宅を改修した施設で、千葉県野田市にあった。同施設では200個を超えるセンサーを配置し、ITを駆使した利便性向上を追求した。

 同社は「今回は必要があるところに技術を使う」(高田巌R&D本部IoTHouse―PJ住生活Algorithm研究Gグループリーダー)方針。より快適さを追求する一方で「生活のリスクを発見」(同)しようとしている。

 四つの要素のうち温熱に関しては、エアコンの制御と窓の自動開閉をリンクさせる。自然の風を極力取り入れながら、室内全体の温度・湿度を制御する仕組みとした。空気については、二酸化炭素(CO2)の量を計測する対象に加えた。

 屋外の音を拾ってスピーカーで室内に流すなど、高気密住宅で失われやすい要素を技術で補完し、特性を生かすことも考慮した。今後は公開されている膨大なオープンデータを活用し、機器の制御なども検討する方針だ。

日刊工業新聞2016年9月28日

COMMENT

八子知礼
INDUSTRIAL-X
代表

住空間を快適に演出するスマートホーム。住設機器メーカーである同社からすると必要なセンサーを必要な箇所に設置したということなので今回の結果から様々なフィードバックが得られることを期待したい。一方で実際の住空間には低音ノイズや排気を発生する機器も家電として置かれている。空気清浄機、掃除機、冷蔵庫や電子レンジなどはその代表格だ。可能であれば今後の取り組みとなろうが、一例としてシャープのともだち家電のようなネット家電とも協業・連携して現場に配置し、実環境に近い"ノイジーで外乱のある" データを取得して解析・パターン化してほしいものだ。我々人が実際に住む場合にはそのような難易度の高い環境ばかりなので、異なる工夫や他社協業の中からトータルな最適化提案が出てくることが期待される。

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