プロゴルファーの鍛錬にデータ活用の波、後押しするのは「トラックマン」

アマチュア向け製品の投入も

 プロゴルフやプロ野球で、ボールの弾道データ活用によるトレーニングが進んでいる。後押しするのは打球計測装置「トラックマン」だ。ドップラー効果を使った測定で、ボールの弾道やゴルフクラブなどの軌道が分かる。勘や経験だけでなく“データ”重視の練習にシフトする選手も増えてきた。年末には一般人が使える製品も投入される予定で、アマチュアにもデータ活用が広がりそうだ。

 トラックマンを開発したのはデンマークのTrackMan社。最新機種はゴルフクラブとボールの動きを測るレーダーを、一つずつ内蔵している。片方のレーダーはボールの飛距離や角度などを測定。もう片方のレーダーはクラブの軌道やフェース(クラブの正面)の角度、スイングの方向などを測定する。

 ボールの回転数はレーダー波の周波数の変化を計測し割り出す。ゴルフクラブで打ったボールの上部分と下部分の周波数の変化から、ボールの動きを捉え回転数を割り出す。さらにゴルフクラブのヘッドやボールについて垂直と水平角からドップラー周波数を検知。クラブの軌道やフェースの角度を測る。

 すでに野球では米メジャーリーグの全球団が球場に導入済み。日本でも今シーズンから12球団中11球団が使用している。ゴルフではPGAツアーや全英ゴルフ協会(R&A)が公式の測定器として使用。日本ではすべての公式大会に使われているわけではないが、一部の選手が練習に取り入れている。

 プロゴルファーの小平智選手は、パットやアプローチの練習などで活用。打球を放った1秒後にデータが表示され、打った感覚を残したまま飛距離などを確認できる。1ヤード単位の正確なショットが求められる短距離の練習にも向いている。

 トラックマンは2015年から日本で販売を始めた。売上高は毎年、前年比2倍以上で拡大している。庭山章トラックマンジャパン社長は「(米国に次いで)世界で2番目に大きな市場」と話す。18年末にもゴルフ練習場の全ブースから打たれるボールのデータを計測する「トラックマンレンジ」を発売する予定。客はスマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)で、自分が打ったボールの飛距離や弾道などのデータが分かる。

日刊工業新聞2018年6月25日

日刊工業新聞 記者

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06月25日
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隣のブースで練習している人や、世界中のゴルファーと飛距離やピンへの距離などを競える機能を搭載する可能性もある。庭山社長は「一般のゴルファーでもデータを活用した練習ができる」とアマチュアゴルファーの上達を支援できるとしている。
(日刊工業新聞社・福沢尚季)

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