好調だった電機大手の業績、今期は一転し厳しさ増す

4社が減益予想、円高・原油高で明暗

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スマホ事業が足を引っ張るソニー(吉田憲一郎社長)
 大手電機8社の2019年3月期連結業績は明暗が分かれそうだ。15日までに出そろった18年3月期連結業績は東芝を除く7社が営業増益となったが、今期は一転して4社が減益になる。

 18年3月期は日立製作所とソニー、三菱電機の営業利益が過去最高となるなど電機業界は好業績に沸いた。東芝も連結営業損益で減益となったが、黒字を確保した。2月時点ではゼロと予想していた。

 各社は堅調な世界経済を背景に海外市場が総じて好調だったほか、円安も追い風となった。持ち分譲渡益など特殊要因も重なった。

 一方、今期の景色は一変する。ソニーはスマートフォン事業が足を引っ張る。十時裕樹最高財務責任者は「1000万台の販売台数でも利益を創出できる施策を考えている」と体質改善を進める。

 三菱電機は業績をけん引してきたFA関連に一服感が出る。皮籠石斉常務執行役は「(FAの受注は)前期がかなりの高原状態だった」と今期の上積みは厳しいことを示唆する。

 富士通は増益基調から暗転。田中達也社長は「改革が必要な事業領域で徹底的に対策を打つ」と危機感を隠さない。

 NECも4月始動の新中計の達成に向け、いったん身を縮めて「収益構造を立て直す」(新野隆社長)。

 増益を予想する日立、パナソニック、シャープは本業と関連の薄い事業の売却や不採算事業を縮小してきた効果が表れる。固定費が低減され、主力事業の販売増が利益を押し上げる。

 日立製作所の西山光秋執行役専務は「ポートフォリオの再編や原価低減の成果が出ている」と手応えを示す。今期、営業利益率8%を視野に入れる。

 シャープの野村勝明副社長は「白物家電や8Kカメラなどが海外市場向けで計画を上回る」と増収増益の背景を語る。

 とはいえ、増益組にとっても懸念材料はある。パナソニックは創業100周年の19年3月期に営業利益4500億円を目指してきたが、4250億円に設定した。目標を掲げた時点に比べて円高に振れていることが主因。津賀一宏社長は「目標の目線は変えていない」と語ったものの、為替や原油価格上昇に伴う素材高などが各社にのしかかる。
                      

COMMENT

栗下直也
デジタルメディア局
編集委員

増益を予想する企業も、円高進行が懸念される上に、原油価格の先高観も強く、逆風下で実力を試される。

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