サイバーダインのロボットスーツ、医療機器として欧米で拡大中
山海社長「世界で規制突破できる人材が育成できた」
サイバーダインは欧米と日本で、2018年度にロボット事業の拡大を目指す。米国ではリハビリ病院グループのブルックスリハビリテーションと合弁で、医療用HALを歩行機能改善などに活用する取り組みを始めた。保険適用が認められたドイツやポーランドを起点に、欧州展開にも注力する。日本は作業支援用や介護支援用にHALの品ぞろえ強化や新機種への更新のほか、清掃ロボットの用途を広げ売り込む。
「米国食品医薬品局(FDA)で、医療機器の承認を取得できたことは大きい。HALをロボットとしてでなく、医療機器として売れる」。山海嘉之社長は承認取得の利点を強調する。価格競争の激しい一般的なアシスト装具などのロボットと差別化できるからだ。
HALは脳卒中の臨床試験で、通常のリハビリに比べ歩行スピードの改善量が5倍になったデータがある。この実績を武器に米国で合弁事業に取り組む。合弁相手は全米に32カ所の外来クリニックと年間4万5000人以上の患者を抱える。HALを脳卒中や脊髄損傷のリハビリ治療で活用する。
「国ごとの認証や保険適用をクリアしていくのは大変だったが、今回の経験を通じて社内でもさまざまな規制を突破するノウハウを持つ人材を育成できた」とする山海社長。ドイツやポーランドでも保険適用が認められ、英国やフランスも射程圏内という。この流れが日本でも進むことを期待する。
HALの稼働台数は全世界で257台(17年3月は188台)、国内はうち68台だ。国内は病院などのレンタル導入進展に加え、介護施設への拡大にも期待する。HALを装着すると腰の負担が軽くなるため、夜勤のヘルパーが2人必要だった介助作業が1人でできる。ヘルパー不足の解決に加え、高齢者の方も自分で歩こうとすることで寝たきりになる傾向が防げ、介護コストや負担の削減が期待できる。
清掃ロボットでは3月に発売した新機種が、三井不動産の商業施設や住友商事のオフィスビルで採用された。自律走行でき、3次元カメラで進行方向の障害物を検出して安全に作業する。
今後は電飾看板を着けて構内を走るなど、日中の活用法を検討。清掃ロボットが作業するのは深夜が多いため、日中も活用できれば稼働効率が高まる計算だ。
「米国食品医薬品局(FDA)で、医療機器の承認を取得できたことは大きい。HALをロボットとしてでなく、医療機器として売れる」。山海嘉之社長は承認取得の利点を強調する。価格競争の激しい一般的なアシスト装具などのロボットと差別化できるからだ。
HALは脳卒中の臨床試験で、通常のリハビリに比べ歩行スピードの改善量が5倍になったデータがある。この実績を武器に米国で合弁事業に取り組む。合弁相手は全米に32カ所の外来クリニックと年間4万5000人以上の患者を抱える。HALを脳卒中や脊髄損傷のリハビリ治療で活用する。
「国ごとの認証や保険適用をクリアしていくのは大変だったが、今回の経験を通じて社内でもさまざまな規制を突破するノウハウを持つ人材を育成できた」とする山海社長。ドイツやポーランドでも保険適用が認められ、英国やフランスも射程圏内という。この流れが日本でも進むことを期待する。
HALの稼働台数は全世界で257台(17年3月は188台)、国内はうち68台だ。国内は病院などのレンタル導入進展に加え、介護施設への拡大にも期待する。HALを装着すると腰の負担が軽くなるため、夜勤のヘルパーが2人必要だった介助作業が1人でできる。ヘルパー不足の解決に加え、高齢者の方も自分で歩こうとすることで寝たきりになる傾向が防げ、介護コストや負担の削減が期待できる。
清掃ロボットでは3月に発売した新機種が、三井不動産の商業施設や住友商事のオフィスビルで採用された。自律走行でき、3次元カメラで進行方向の障害物を検出して安全に作業する。
今後は電飾看板を着けて構内を走るなど、日中の活用法を検討。清掃ロボットが作業するのは深夜が多いため、日中も活用できれば稼働効率が高まる計算だ。
日刊工業新聞2018年5月18日