トヨタ系電池メーカー「増産急ピッチ」の勝算
PEVE・鈴木社長インタビュー
プライムアースEVエナジー(静岡県湖西市、PEVE)が、ハイブリッド車(HV)用電池の増産を急ピッチで進めている。国内や中国でライン増設を計画し、湖西市で新たな工場用地の取得を目指す協定を結んだ。トヨタ自動車の電動化シナリオの実現へ重要な役割を担うPEVEの鈴木茂樹社長に、今後の増産計画や開発の方向性を聞いた。
―増産計画を相次いで打ち出しました。
「トヨタが発表した電動化シナリオを具現化するには電池が必要。それに合わせ、しっかりモノづくりの体制を整える。宮城工場(宮城県大和町)は第4工場を2019年、第5工場を20年に稼働する。いずれも年産20万台規模でリチウムイオン電池を生産する。中国工場も増強する」
―トヨタは30年までに電動車550万台以上、うちHVやプラグインHVで450万台とする計画。その大部分をPEVEがカバーすることになります。
「そうしたいと思っている。本社・大森工場はもう1ラインだけ設置するスペースがある。19年後半をめどに新ラインを稼働する。宮城の増産分と合わせ、20年にリチウムイオン電池は同70万台体制が整う。さらに将来に向け、湖西市で用地確保の方向付けをした」
―トヨタは九州や北米工場でもHVを生産しています。現地生産の可能性は。
「トヨタ自動車九州で生産するHV向け電池は現在、湖西地区から送っている。宮城、湖西に九州を加えた国内3拠点という考え方はもちろんあるが、調査が必要。北米も同じで地産地消が望ましい。時期は未定だが、将来は現地化が必要だと考えている」
―トヨタと開発の役割分担は。
「初代プリウスから搭載するニッケル水素電池はPEVEが基本設計から行っている。リチウムイオン電池は設計をトヨタ、原価低減など製造技術をPEVEが担う。トヨタの開発は全固体電池にシフトしてきた。リチウムイオン電池など従来型の液系電池は当社も解析、評価設備を導入し高容量化の開発を強化している。量産までのハードルは高いが試作できる段階にある」
―トヨタとパナソニックが車載用電池で新たな提携に向けた協議を始めました。PEVEの役割、3社の関係性はどうなりますか。
「全体スキームは当社の株主でもあるトヨタとパナソニックで検討している。当社はまずHV用電池をしっかり供給することが使命だ。20年以上の量産実績がある車載用電池メーカーとして、HVからEV用までフルラインで技術を蓄積して、次の戦略に生かしたい」
―増産計画を相次いで打ち出しました。
「トヨタが発表した電動化シナリオを具現化するには電池が必要。それに合わせ、しっかりモノづくりの体制を整える。宮城工場(宮城県大和町)は第4工場を2019年、第5工場を20年に稼働する。いずれも年産20万台規模でリチウムイオン電池を生産する。中国工場も増強する」
―トヨタは30年までに電動車550万台以上、うちHVやプラグインHVで450万台とする計画。その大部分をPEVEがカバーすることになります。
「そうしたいと思っている。本社・大森工場はもう1ラインだけ設置するスペースがある。19年後半をめどに新ラインを稼働する。宮城の増産分と合わせ、20年にリチウムイオン電池は同70万台体制が整う。さらに将来に向け、湖西市で用地確保の方向付けをした」
―トヨタは九州や北米工場でもHVを生産しています。現地生産の可能性は。
「トヨタ自動車九州で生産するHV向け電池は現在、湖西地区から送っている。宮城、湖西に九州を加えた国内3拠点という考え方はもちろんあるが、調査が必要。北米も同じで地産地消が望ましい。時期は未定だが、将来は現地化が必要だと考えている」
―トヨタと開発の役割分担は。
「初代プリウスから搭載するニッケル水素電池はPEVEが基本設計から行っている。リチウムイオン電池は設計をトヨタ、原価低減など製造技術をPEVEが担う。トヨタの開発は全固体電池にシフトしてきた。リチウムイオン電池など従来型の液系電池は当社も解析、評価設備を導入し高容量化の開発を強化している。量産までのハードルは高いが試作できる段階にある」
―トヨタとパナソニックが車載用電池で新たな提携に向けた協議を始めました。PEVEの役割、3社の関係性はどうなりますか。
「全体スキームは当社の株主でもあるトヨタとパナソニックで検討している。当社はまずHV用電池をしっかり供給することが使命だ。20年以上の量産実績がある車載用電池メーカーとして、HVからEV用までフルラインで技術を蓄積して、次の戦略に生かしたい」
日刊工業新聞2018年5月11日