EVブームに陰り?GSユアサ、次世代リチウム電池開発の3社合弁解消

 GSユアサはドイツ大手自動車部品メーカー、ロバート・ボッシュと三菱商事の3社による車載用次世代リチウムイオン電池技術の研究開発の合弁を解消した。GSユアサは、リチウムイオン電池の容量を現行の2倍にする電池セルの要素技術を確立できたためとしている。量産に取り組むかどうか未定だったが、3社の合弁では断念した。

 GSユアサは今後、容量を2倍にしたリチウムイオン電池の量産技術を開発する。自動車の電動化が進むとみられる2020年以降、量産化を目指す。量産は投資がかさむため、供給先と共同で取り組む可能性がある。

 3社は研究開発を目的に、合弁会社のリチウムエナジーアンドパワー(独シュツットガルト)を13年11月に設立した。

日刊工業新聞2017年3月2日

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鈴木岳志
編集局第一産業部
編集委員

 ボッシュはあわせて車載用リチウムイオン二次電池セルの自社生産を断念することも発表した。多額の設備投資に対するリスクを嫌ったためだが、この自動車部品世界最大手の決断が電気自動車(EV)懐疑派を勢いづかせるかもしれない。EV普及への課題は航続距離や充電時間以上に、製造コストの大半を占める電池価格だ。2017年末のトヨタ自動車とパナソニックの電池提携も電池低価格化を狙い、そのために他社にも門戸を開いて電池を業界標準化したい思惑がささやかれる。ただ、現状の車載電池は各社部材などの仕様がバラバラで、製造設備もそれに合わせた専用機。おいそれと仕様変更には応じられない。標準化を鼻で笑う部材メーカー幹部すらいる。米テスラの生産低迷とともに、過熱気味のEVブームの風向きに影響しないか少し心配だ。

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