造船、国内生産を縮小。海外シフトで復活は?

今後も船価低迷が続き、構造改革が急務

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三井E&S造船の千葉事業所では新造船建造用ドックを3本から1本に絞る
 造船大手が国内の商船建造体制を縮小する。三井E&S造船(東京都中央区)は千葉事業所(千葉県市原市)の新造船建造用ドックを3本から1本に絞り、12年ぶりに再開した修繕船事業などに人員を振り向ける。川崎重工業は坂出工場(香川県坂出市)に集約し、事業規模を約3割縮小する。世界的に過剰な船舶建造能力が解消されず、韓国や中国との価格競争が激化する中、各社とも海外への生産シフトや提携戦略などにより国内建造体制を見直す。

 三井E&Sホールディングス(旧三井造船)傘下の三井E&S造船は千葉事業所での生産に占める新造船事業の比率を約8割から5割程度に縮小する。新造船事業はVLCC(超大型タンカー)を建造できる主力の2号ドックに集約。1号、3号ドックは鋼構造物に活用するほか、修繕船事業を拡大する。

 また、艦艇などを手がける玉野事業所(岡山県玉野市)に設計を集約。約50人が千葉から異動する。三井E&SHDの造船事業は18年3月期まで3期連続の営業赤字を見込む。常石造船(広島県福山市)との提携を模索するなど、事業損益の早期黒字化を目指す。

 川重は17年3月に商船建造の軸足を中国に移す構造改革を発表。国内商船事業は液化天然ガス(LNG)運搬船などに絞り、中国の合弁2造船所との共同購買や建造分担を通して損益改善を急ぐ。

 三菱重工業は1月に商船事業を分社し、三菱造船(横浜市西区)と三菱重工海洋鉄構(長崎市)を設立した。今治造船などと商船事業で連携。28年度をめどに売上高2000億円(現状比約2倍)、営業利益率約10%の目標を掲げる。

日刊工業新聞2018年4月27日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

日本船舶輸出組合(JSEA)によると17年度の輸出船契約実績(一般鋼船)は16年度比約2倍の約996万総トンと2年ぶりに前年度の実績を上回ったが、15年度の約半分の水準。需要回復の兆しはあるが船価低迷は続くとみられ、構造改革が急務になっている。

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