―フォーラムの活動は。
「旭硝子、イオンなど大企業20社が参加し、これまでに6回開いた。CSR(企業の社会的責任)担当者以外に財務担当者や経営層にも加わってもらい、何に悩んでいるか議論などをしている。これからは営業など事業部門の担当者にも参加してもらう」
―日本企業の課題は。
「SDGsが世間へ急速に広がり、勉強会もたくさんできた。しかし日本企業は受け身だ。目標を理解し、経営に導入する手引書を読んで動くことはできるが、その先へは進みづらい。観客から選手になるべきだ」
―「選手になれ」とは、どういう意味ですか。
「何に取り組むべきか、どういう会社が良い会社なのか、自ら考える必要がある。SDGsを超えた取り組みも求められる。自分たちで目標を定め、指標を作ってほしい」
―SDGsを超えた取り組みとは。
「SDGsに法的拘束力はない。しかし欧米企業は環境や社会に配慮しない製品は取引しない、店頭で売らないと言い始めた。欧州連合(EU)は環境・社会に配慮しない製品を域内から排除しようとしている。価格競争だと欧州企業は途上国に勝てないと分かったからだ」
―SDGsを事実上のルールとし、自社・自国が競争で優位になるようにしている訳ですね。
「民間企業の決め事でも、SDGsに貢献するのであれば誰も反対できない。日本企業も国際社会でうまく立ち回り、自社が有利に貢献できるルールを提言してほしい」

【記者の目】
環境・CSRの分野で「ソフトロー」が増えている。違反に罰則はないが、従わないと市場から閉め出される事実上のルールだ。ESG(環境・社会・企業統治)投資も規制ではないが、取り組まないと評価されない。日本企業はSDGsに合致していると安心して終わらず、ソフトローづくりに加わってほしい。
(聞き手・松木喬)
松木 喬
04月21日
SDGs、ESG投資。どれも規制ではないですが、企業は取り組みを始めています。企業の発行物についている「SFCマーク」。マークがなくても発行できますが、大企業ならほぼマークありでは。これもSoftLawです。民間同士の決め事が事実上のルールになっています。
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