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防衛装備品でもっと民間技術を取り込むぞ!

AI・ドローンなどから選定へ
 防衛省は人工知能(AI)や飛行ロボット(ドローン)、情報通信技術(ICT)などが関連する防衛装備品の開発に民間企業の技術力を活用する。これらの分野は技術の進化スピードが速く、5年以上の期間を前提とする一般の装備品調達では対応が難しい。通信ベンチャーも含めた民間企業のスピード感と技術力を生かしていく。2018年度に計3テーマで構想設計アイデアを募るほか、同5テーマで試作品製作を予定する。

 構想設計を募る3件のテーマは「AIを用いた船舶自動識別装置解析ツール」「ドローンによる監視の自動・効率化」「アクチュエーター技術活用による機材操作の無人化」。民間からアイデア公募を始めており、5月末に選定し、システムや装置設計に入る。

 船舶自動識別のAI活用では、レーダー画面上に多数映る船舶の中から、民間船か、漁船か、不審船かなどをAIで推測する。ドローンでは広大な基地内への侵入者や不審な動きなどの監視を常時飛行のドローンに任せることで自動化、効率化を目指す。

 試作品の開発を目指す5件のテーマは「ニアリアルタイムでの大規模データ分析」「ネットワークフライトシミュレーション」「艦内無線ネットワーク」「衛星通信アンテナの不要放射低減」「オフロードバイク静粛化」で、19年度に現場実証を始める考え。
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
防衛装備品の調達は一般には5―15年くらいの長期間を念頭に整備するケースが多い。ただ、AIやICT関連の技術は年々進歩しているうえに価格低下も激しく、旧式システムや高価な買い物になるおそれもある。これを防ぐため民間技術を生かす。 (日刊工業新聞第一産業部・嶋田歩)

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