元ヤマハ社長が始めた「ピアノ貯金」に学ぶ

世界を舞台とした仕掛けづくりの知恵を

 「今から毎月1000円貯金をすれば、ちょうどいいお年頃にピアノが買えます」―。元ヤマハ社長の川上源一さんが始めたといわれる“ピアノ貯金”。赤ちゃんが生まれると親を口説いて、積み立てを促したという。

 幼児期から「音楽教室」に通わせ、10歳頃にピアノを購入してもらうビジネスモデル。「ピアノを買って」ではなく「音楽に親しんで」で販売を伸ばした。1970年代に第2次ベビーブームが到来すると、一気に家庭に普及し、生産台数で世界一になった。

 少子化や電子ピアノの普及で、国内市場はピークだった80年前後の10分の1以下に縮小した。ただ、かつての日本に似た現象が中国で起こっているという。子どもに音楽教育を受けさせることは豊かさの象徴なのである。

 現在、生産台数は中国メーカーがトップだが、品質に定評のある日本製の人気は高い。中国に続いて、ベトナムなど東南アジアやインドでも音楽教育の機運が高まっているという。

 川上さんは「音楽こそ世界を結ぶ大きな絆」という言葉を残した。グローバル化や技術革新により、製品がすぐにコモディティー(日用品)化する時代。今こそ楽器に限らず、世界を舞台とした仕掛けづくりの知恵が問われている。

日刊工業新聞2018年2月13日

明 豊

明 豊
02月13日
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どこかの制服のように親の自己満足にならない仕掛けを。

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