日産「リーフ」の開発責任者、今だからこそ訴えたいこと

「唯一で最初の車」

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航続距離を伸ばし加速性能や静粛性も高めた新型「リーフ」
【第一製品開発部車両開発主管・磯部博樹氏】

 世界初の量産型EVとして2010年に投入以来、初の全面改良となる。開発に当たり航続距離や充電時間をどう改善するかに重点を置いた。中でも航続距離の短さについて顧客から多くの意見を頂いていた。

 そこで新たに従来とほぼ同じサイズで容量を従来比3割増の40キロワット時に増やした電池を開発した。航続距離を初期型の倍増となる400キロメートルに延ばし、普段の生活で使う上では不満が出ないレベルを実現した。またインバーターの刷新によりモーターの出力を従来比4割増の110キロワットに高めたことで、素早く力強い加速性能に仕上げた。

 EVは他社の商品投入が進むことで今後は航続距離を争う戦いではなくなり、走りの楽しさや実用性といった車本来の魅力が重要になってくるだろう。そのため新型リーフでは動力性能にも磨きを掛けている。

 特に、EV特有のアクセル操作に対する反応の良さや滑らかさを訴求する技術として、新たに「eペダル」を採用した。モーターによる回生と油圧ブレーキの併用により、坂道や滑りやすい路面でもアクセルペダルのみで加減速と停止ができ、日常のアクセルからブレーキペダルに踏み替える回数を9割減らせる。

 また当社の自動車開発の柱の一つである「知能化」についても最先端技術を採用した。特に、国内メーカー初の本格的な自動駐車機能である「プロパイロットパーキング」は、すべての駐車操作の自動化を実現した。

 他社では超音波センサーのみで障害物を認識する自動駐車機能を提供しているが、新型リーフでは超音波センサーとカメラを併用することで障害物と駐車枠を認識する。これにより、後ろ向き、前向き、縦列の駐車方式に対応し、ハンドル、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキまですべての駐車操作を自動化できる。

 初代リーフは当時はEVのパイオニアとして投入したため、EVであることを前面に出したデザインとしていたが、新型では低重心で走りが良いというリーフの特長を表現したデザインに仕上げた。一般消費者にとってより求めやすいデザインで走りの良さを感じられるように、見た目を追求している。

 またモーターやカメラをほかの車種と共用するなど部品コストの低減にも取り組んだ。初代リーフの発売時に比べて電池の価格も下がったことから、車両本体の価格も抑えることができた。

 日産では将来の車作りのビジョンとして、電動化や知能化の技術で構成する「日産インテリジェント・モビリティ」を掲げている。新型リーフは電動化や知能化など当社の最先端技術を兼ね備えた唯一の車であり、ビジョンを体現した最初の車とも位置づけられる。

日刊工業新聞2017年12月20日

COMMENT

10月に日本に先行投入した新型は完成検査問題の影響が懸念されたものの、発売後約2カ月で1万2000台と出だしは好調だ。他社のEV投入が今後進む中、走りの上質さや自動化技術などリーフならではの特長をどう訴求し、顧客を開拓できるか。EV先行者としての日産のポジションをより強固にする上でも重要な車種となる。 (日刊工業新聞第一産業部・土井俊)

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