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7ー9月の世界半導体装置出荷額、143億ドルで過去最高更新

「小口径の装置は部品も含めて枯渇している」(SEMIジャパン代表)
7ー9月の世界半導体装置出荷額、143億ドルで過去最高更新

東京エレクトロンの生産現場(同社提供)

 半導体の製造装置や材料の国際工業団体であるSEMI(本部:米カリフォルニア州ミルピタス)が発表した2017年第3四半期の世界半導体製造装置出荷額は143億ドル(約1兆6000億円)となり、第2四半期に記録した過去最高水準を更新した。

 この調査は日本半導体製造装置協会(SEAJ)と共同で、世界95社以上の半導体製造装置メーカーから毎月提供されるデータを集計したもの。前期比では2%増、前年同期比では30%増と大きく伸びた。地域別では韓国が前期に引き続き世界1位の市場で、台湾、中国、日本がそれに続いている。

SEMIジャパン・中村代表に聞く


 IoT(モノのインターネット)やスマートフォンの普及に伴い、半導体の需要が拡大し続けている。半導体製造装置業界の団体「SEMIジャパン」(東京都千代田区)の中村修代表に、業界が直面する課題や今後の見通しなどを聞いた。

 ―半導体業界ではデバイスメーカーの合従連衡が進み、集約しつつあります。装置の買い手であるデバイスメーカーが減ると、どんな影響がありますか。
 「IoT化が進むことによって半導体の数や種類、性能向上に対するニーズが増えていくことは間違いない。そのため、プレーヤーが減ることは懸念材料にはならない。今後も量産型の半導体の伸びが続く上、多様性に富んだ半導体が成長していくだろう」

 ―装置メーカーに求められることは。
 「多様化への対応力を付けることだ。ここ数年はメモリー用装置の需要増が際立っているが、センサー向けなど直径200ミリメートルウエハーを加工する装置の需要も出てきている。だが、そうした小口径の装置は部品も含めて枯渇している。顧客サービスをはじめ、部品の供給やメンテナンスなど幅広い対応が必要になる」

 ―半導体の性能を左右する「回路線幅」の微細化は限界に近づいています。今後の研究開発テーマは。
 「微細化の進捗(しんちょく)はスローダウンしているものの、さらに進んでいくので引き続き重要だ。一方で半導体の生産効率の向上に向け、回路を重ねる『多層化』や絶縁膜に穴を開ける『コンタクトホール』といった技術も進んでいる。半導体の組み立てや製品の検査といった工程の技術開発も含めて、製造技術の向上がテーマになるだろう」

 ―業界の課題は。
 「特に欧米と日本に言えることだが、働き手の減少だ。活用が広がっている人工知能(AI)やロボットは、全て半導体から成り立っている。働き手を確保しなければ、そうした技術も発展できなくなってしまう。だが、半導体業界は日本の学生にとって必ずしも人気があるとは言えない。業界や政府などが一体となって、働きがいや将来性を伝えていくことが求められる」

 ―半導体製造装置・材料の展示会「セミコン・ジャパン」は人材確保にも有効です。
 「13日に開幕する『セミコン・ジャパン』では、企業の若手エンジニアによる講演をはじめ、学生が若手技術者らと交流できるイベントも行う。16年のセミコン・ジャパンに来場した学生は全体の2%だったため、より多くの学生に来てほしい」
(文=福沢尚季)
                  
日刊工業新聞2017年12月8日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
米投資ファンド KKRの日立国際電気に対するTOBが成立した。TOB価格を2度引き上げたのも市況が好調の証拠だろう。鉱工業生産指数をみても、この5年間で国内で最も成長しているのは半導体製造である。価格はつり上がっているがM&Aの要注意業界である。

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