この5年で最も勢いがある製造業は半導体製造装置だった!

2015年度以降、加速度的に上昇。東芝メモリが不安材料に

 5年前からの我が国製造業を振り返ってみると、景気後退局面から始まり、アベノミクス、消費税率引上げなど色々なことがあったが、どんな製品が下支えしていたのだろうか。経済ニュースでは自動車やスマートフォン部品のことが、よく話題にあがる。たしかにこれらも主役だったが、実は半導体製造装置の存在感が意外にも大きいことを御存知だろうか?

 下の図は、鉱工業生産指数を用いて、5年前の2012年度平均の水準を100とした鉱工業、その中のはん用・生産用・業務用機械工業、その中の半導体製造装置の生産動向を示したものだ。5年前と比べて鉱工業は微増、はん用・生産用・業務用機械は1割増となっているが、半導体製造装置は2015年度以降加速度的に上昇し、6割増となっており、かなり増勢がある。
                   


 次に、作られた半導体製造装置がどこに売られているかについて、出荷を国内向け/輸出向けに分けた指数である鉱工業出荷内訳表で見てみる。左下図は仕向け先別に半導体製造装置の出荷シェアを見たものだが、シェアの大きい国内向けはもとより、我が国半導体メーカーの競合も多い、台湾、韓国、中国向けのシェア(2016年度でシェアの大きい順に列挙)も小さくないことが分かる。

 また、右下図は、台湾、韓国、中国向けの輸出を見たものだが、5年前の水準と比べて約2~3倍の輸出量となっており、特に2016年度はいずれにおいても前年度から大幅増となっている。
                  
                    

 次に、鉱工業生産指数で、半導体製造装置の生産増が鉱工業生産全体に及ぼす影響を見たものが下の表になるが、普通乗用車やスマートフォン向けの半導体・電子部品を差し置いて上昇寄与が1位となっており、単純に伸び率が高いだけではなく、鉱工業生産の上昇方向への動きを代表する品目であったことが分かる。
                    
                

 最後に、日本製半導体製造装置の販売をとりまく動向だが、(一社)日本半導体製造装置協会※によると、スマートフォンに加え、IoT、AI、自動運転などのアプリケーション向けに半導体需要が拡大することが期待され、これに対応してファウンドリやロジックメーカーの投資継続、さらには3D-NAND向け投資、DRAM向け投資が見込まれるため、2019年度まで販売額が増加するとの予測となっており、引き続き我が国製造業の牽引役となることが期待される。

政年 佐貴惠

政年 佐貴惠
09月30日
この記事のファシリテーター

半導体製造装置は日本が比較的強い業界。この1-2年の市場成長は顕著で、ディスコやアルバックなど過去最高の業績を更新した企業も複数ある。国内最大手、東京エレクトロンの河合利樹社長は「市場は一段上の成長フェーズに入った」と話し、同社は中期経営計画の目標値を上方修正した。IoTなどの普及もあり当面の市場成長は疑う余地がないが、一方、日本での設備投資を支えているのが東芝メモリ。米ベインキャピタルと売却契約は結んだものの、その先行き如何では製造装置メーカーへの影響は避けられない

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。