「ハンドルもペダルもない」完全自動運転EV、来春実証へ

ティアフォー、米半導体大手エヌビディアと業務提携

 名古屋大学発ベンチャーのティアフォー(名古屋市中村区、武田一哉社長)は、米半導体大手のエヌビディアと業務提携し、完全自動運転の小型電気自動車(EV)を開発した。ハンドルやアクセルペダルなどのない完全自動運転車の開発は国内初とみられる。市街地や中山間地域での近距離移動を目的とする。実用化を目指し、2018年春以降に愛知県内で実証実験を始める。

  開発した小型EV「Milee(マイリー)」は数キロメートルといったいわゆる「ラストワンマイル」の近距離移動を想定。時速20キロメートル以下の低速で走行する。完全自動運転なため運転席はない。

  車両はティアフォーと資本提携するヤマハ発動機の電動ゴルフカートをベースにし、車体には3次元(3D)プリンターを使った受託製造サービスのカブク(東京都新宿区)の技術を活用した。ティアフォーの自動運転向け基本ソフトウエア(OS)「オートウェア」を、エヌビディアの画像処理半導体(GPU)に対応させた。

  高精度の3D地図とレーザースキャナーを搭載。周囲の物体検出や自車位置の推定、走行経路の策定、運転判断といった完全自動運転の主要な機能を実現する。

  ティアフォーは9月、高精度3D地図サービスのアイサンテクノロジーから出資を受けた。アイサンは8月に老舗商社の岡谷鋼機から出資を受けている。3社は小型モビリティーを活用した移動サービスの事業化を目指しており、実験を経て19年にかけて事業化のめどを探る考えだ。

  完全自動運転車を巡っては市販車を改造した車の公道実験が進む。アイサンテクノロジーなどは愛知県の事業を受託し、運転席に人の乗らない遠隔操作型の車の公道実験を14日に県内で行う。ZMP(東京都文京区)も同日、東京都内で遠隔操作型の自動運転車の公道実験を行う計画だ。

日刊工業新聞2017年12月8日付

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
12月09日
この記事のファシリテーター

ティアフォーの手がける自動運転OS「オートウエア」は名大などでの研究が発展したもの。オープンソース(無償公開)としており、既に国内外100社以上に導入実績があるとのこと。15年のティアフォー設立から2年余りで着実にプラットフォーム化に成功しているといえます。
自動運転車の開発ではトヨタ自動車など既存の車大手も異業種との提携戦略を鮮明にしています。シェアサービスが普及することを前提をすれば、将来のクルマの価値は車そのものではなくサービスに移っていく可能性もあります
ただ個人的には「クルマを所有したい、自分で操りたい」という人が将来も必ずいると思います。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。