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またもやMUJINが自動化システムを開発!「トータルで自動化」に期待高まる

コンテナからの荷下ろしから、商品を個別に取り出すまでの作業を自動化
またもやMUJINが自動化システムを開発!「トータルで自動化」に期待高まる

倉庫内の作業をロボットで自動化する(台車から荷物を取り出すシステム)

 MUJIN(東京都墨田区、滝野一征最高経営責任者〈CEO〉、03・4577・7638)は、倉庫内の一連の主要作業をロボットで自動化する技術の提供を始めた。新たにカゴ台車から多軸ロボットで荷物を取り出すシステムを開発。これによってコンテナからの荷下ろしから、商品を個別に取り出すまでの作業を自動化できる。同一メーカーでこれら一連の作業のロボット化を提供できる企業は珍しい。

 開発したシステムは多軸ロボットと3次元画像認識センサー、コンベヤー、コントローラーと周辺機器で構成する。ロボット近くにカゴ台車を置くと、多軸ロボットが箱を1個ずつ取り出す。ばら積みピッキングなどの、複雑な作業をできるようにするコントローラー「ピックワーカー」などの技術を活用した。

 無造作に積まれた荷物を崩さず、ロボットの腕がカゴにぶつかることなく取り出してコンベヤーに置いて送り出す。人手に頼っていた荷物の搬入出作業を効率化できる。飲料の2リットル入りペットボトル6本が入った箱を、カゴ台車から取り出すことを想定したシステムを試作した。

 同社はコンテナから荷物を取り出す「デバンニング」、個別の仕分け用に箱から商品を取り出す「ピッキング」のロボットシステムを開発済み。今回のシステムで、これまで困難だった倉庫内作業をロボットで自動化できる。人手に頼っていた作業をMUJINがトータルで自動化すれば、工程ごとに企業が分散せず初期導入や運営、メンテナンスの手間が減らせる。
日刊工業新聞2017年11月9日
川上景一
川上景一 Kawakami Keiichi JEITA 常務理事
 MUJINは、第2回JEITAベンチャー賞を「画像認識結果によって、事前のプログラムを必要とせず、自らピッキング動作を自動生成・実行する知能ロボットの制御技術の開発」(同賞審査評価から抜粋)で、受賞した。同社のホームページによれば、11月29日(水)~12月2日(土)に開催される「2017国際ロボット展」に出展し、「FA・物流向けの最新15アプリケーションを一挙公開」するということだ。人手不足が問題となっている物流業の作業を、記事にあるように、「トータルで自動化」して、社会が直面する課題の解決に繋げることを期待したい。

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