AIが感触・音まで学習 熟練作業のロボット化進む

川崎重工業の新システム「サクセサー」

 川崎重工業は人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)を活用し、熟練作業を自動化できるロボットシステムを開発した。熟練者が専用操作装置でロボットを遠隔操作し、操作装置に感覚的に作業を覚えさせる。何度も作業を繰り返す中でAIが学習して作業精度を高め、最終的には人が遠隔操作せずに自動で作業できるようにする。2018年度に自社に導入するほか一部顧客にも提供し、19年度に販売を始める。

 新システム「サクセサー」(継承者)の遠隔操作装置は、触覚や聴覚など動作時の感覚をフィードバックする機能がある。この機能を用いて、熟練者の技を感覚的に覚えさせる。

 例えば、自動車のシートをロボットで搬送して車体に取り付ける組み立て工程にサクセサーを導入する場合、熟練者が操作装置を用いて実際の作業を実施。その作業から、シートが所定の位置にはまる感触や音などのデータを操作装置に蓄積する。

 操作を繰り返す中で、作業者が一品ごとに異なるシートの取り付け位置のズレをどのように克服しているかなどの技能をAIが学習する。これによってサクセサーの作業精度を自動化が可能な水準まで高める。

 ロボットを操作するには通常、技術者が作業内容をプログラミングして動きを教示する。ただ感覚が求められる組み立て工程などは複数の作業パターンが想定され、教示による自動化が難しかった。

 また、熟練作業を操作装置に落とし込むことで、これまで言葉で伝えることが困難だった技術も感覚的に教えられる。人手不足対応による自動化のほか、技能伝承などでの活用も見込む。

日刊工業新聞2017年11月7日

昆 梓紗

昆 梓紗
11月08日
この記事のファシリテーター

熟練の技には感覚や音など言葉で表現できない部分も多いのでしょう。自動化だけでなく技能の見える化にもつながりそうです。

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古川 英光
古川 英光
11月10日
単なる人口減少のせいですが、国内では色々な分野で熟練者が減少しつつあるので、この方向性に取り組むことは重要だと思います。
  

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