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かげりゆく地方創生、一方で成功の芽も。カギは民活?

「地方創生は民間主導で動くべき時に来ている」
かげりゆく地方創生、一方で成功の芽も。カギは民活?

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インタビュー/三菱総合研究所地方創生事業本部主任研究員・北井渉氏


三菱総合研究所地方創生事業本部主任研究員・北井渉氏

―このところ、支援機関の方たちの間からも“地方創生”という言葉が聞かれなくなった気がしますが。
 
 「石破さんが担当大臣として登場。第2次安倍政権が頑張りだした頃と比べると今、ちょっと地方創生という言葉も疲れている。当時も今も、地方の経済を再生しなければならないという点で状況は同じだが」

―旅行券などお金をたくさんばらまいたのに、なぜ状況は変わらないのですか。
 
 「地方創生の根本は人口問題。だが、地方からすれば大騒ぎされても人口減少、高齢化の話などずっと前から言ってきているではないか。今更、何を言っているのだとの思いもある。地方創生は簡単にいかない。時間もかかる。それに当時、霞が関のキャリアの人たちは施策が東京から地方へ雨だれ式に流れ、効果を生むと考えていた。だが、実は地域の問題を解決するソリューションに東京から降りてくるものはほとんどない」

―そのせいですかね、中央は地方創生に環境、特区、世界遺産などまで入れてきて分からなくなった。
 
 「最初、国の施策としてアクティブシニアを地方へ移住させようと日本版CCRCを目玉として打ち出した。続いて観光振興。そして交付金獲得競争になった。だが、日本版CCRCなど人口減少、高齢化対応の新概念はそううまくいかない。とはいえ霞が関の方たちの中には確信犯的にばらまきをやっていった人たちもいた」

―確信犯ですか…。
 
 「とにかくお金を投じても事態を動かさなければならないと考えた。20年先の総合計画づくりからはじめて、今なすべきことを考えてもらう。バックキャストの思考。そのためにはばらまきになっても仕方がないと」

―それで効果は出ましたか。
 
 「自治体にはイノベーションが起こりつつある。地域戦略室、地域経営室などが作られ体制は整いつつある。だが、自治体ができることはPRぐらい。仕事があれば人は動く。それをやるのは民間だ。地方創生は民間主導で動くべき時に来ている。動きも出ている」
日刊工業新聞2017年10月10日
加藤年紀
加藤年紀 Kato Toshiki
地方創生という話になった時に地方の雇用の問題という結論が多いが、それは今までの資本主義社会の構造の中での話。確かに、雇用が足りないという問題に対して緩やかに抗うということは必要かもしれないが、そもそも雇用がないと人が不幸せになるという社会構造を打破するために、テクノロジーやシェアエコなどに対する規制緩和によって生活コストを下げる努力もまた望まれるのではないかと思います。

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