「キメすぎ、かっこ悪い」若者の身だしなみ意識が変化してきている!?

大事なのはカッコよさより“清潔感”

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さりげない毛流れと軽やかさが男子高校生・大学生らに支持されている
 「キメすぎてるのって、かっこ悪くないですか?」―。男女問わず、若年層の身だしなみ意識が変化している。これを受けて日用品・化粧品メーカーは若年層の身だしなみ意識を捉えようと動きを活発化させている。新ブランドを立ち上げたり新商品を強化したり、商品戦略が熱を帯びてきた。

“万人受け”


 「ささっとなじませて寝癖を抑える程度。前みたいにカチカチに固めて決めすぎなくなった」。こう話すのは、朝のヘアスタイリングを1、2分で済ますという会社員の男性(30)。「誰からもいい人と見られるような髪形を意識している」(同)と話す。

 マンダムが15―24歳の男性415人を対象に、ヘアスタイリングで大事にしていることを調査したところ、「カッコイイ」よりも「清潔感があること」と答えた人の割合が38・1ポイント上回った。マンダムのGBマーケティング本部商品戦略部の大谷希理加氏は、「周囲に配慮し場になじむこと、万人に好感を持たれ評価されること」が重要になってきていると分析する。

 この意識変化によって、ヘアスタイリング剤の使用頻度や量が減少。調査機関の富士経済(東京都中央区、清口正夫社長、03・3664・5811)は、17年の男性用ヘアスタイリング剤市場を07年比20・5%減の302億円と予測する。

 そこでマンダムが力を注ぐのが、液状タイプのヘアスタイリング剤「ヘアジャム」。ワックスよりも軽くて自然な髪形に仕上がるのが特徴。秋の新製品で「ギャツビー」ヘアジャムシリーズの品ぞろえを拡充した。

秋冬コンセプト


 ナチュラル志向は女性も同様のようだ。資生堂の美容動向を分析・予測する研究チームが17年春に行った東京の街頭ヘアメーク調査では、「やりすぎない」「頑張りすぎない」を重要視する女性が多い結果となった。
資生堂は17年秋冬の女性向けヘアメーキャップで「洗練ワントーン」を提案

 同社の谷口丈児ヘアメイクアップアーティストは「ここ数シーズンは『SNS映え』が重要なキーワードとなっていたが、17年秋冬に向けて自己を主張するより、同性の共感を得て幅広く好かれるヘアスタイルを目指す傾向が見られる」と分析。資生堂はこの調査結果を、17年秋冬の化粧品コンセプトとして商品提案に生かしている。

SNS拡大契機


 ライオンの柳田洋顕オーラルケア事業部ブランドマネジャーは「SNSの拡大などで人に見られる機会が増え“浮きたくない”“調和したい”といった同調意識が働き、個性よりも清潔感を心がける傾向にある」と見る。ライオンが20―30代男女1万3615人を対象に行った調査では、約7割が自分の口臭を気にしていた。ライオンはこの層に需要があるとみて、8月にオーラルケア新ブランド「ノニオ」を立ち上げ口臭を抑えるハミガキなどを発売している。

 女性ファッション誌『25ans(ヴァンサンカン)』編集部などの経歴をもつ美容ジャーナリストの加藤智一氏は「若年層が身だしなみ意識に目覚めたきっかけは、“メタボ”という言葉がトレンドになった2009年頃から。『あんな大人になりたくない』という若年層の清潔感意識に火を付けたのがきっかけ」(加藤氏)と話す。

 若年層は“みんなから褒められたい”という意識が強く、日用品・化粧品メーカーもこうした変化をとらえたマーケティングを展開している。
(山下絵梨)

日刊工業新聞2017年9月29日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

もちろん独自路線を行く若者も多くいますが、どんな服装でも「清潔感」は共通して意識しているように思います。若者より上の世代こそ清潔感を意識してほしい、と思ってしまうこの頃です…

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