おしゃれより、おしゃべり?そごう千葉店、売り場4割に縮小
百貨店はファッションを縮小すべきか
そごう・西武はそごう千葉店(千葉市中央区)の別館「ジュンヌ」を、2018年3月までに全面改装する。売り場面積のうちファッション関連が占める割合を7割から4割に縮小し、カフェやワークショップが楽しめる手芸店などを設ける。衣料品の売り上げ不振が続く中、ファッション以外に着目したり、買いやすい商材を強化したりする動きは百貨店、メーカーともに目立っている。(江上佑美子)
「わたしのキラキラは、お買いものだけでは増えない。」「おしゃれとおしゃべり どっちが好き?ってきかれたら、おしゃべりかな。」―。そごう千葉店はジュンヌ改装にあたり、“モノを売る”あり方を否定するかのような、挑戦的なコピーを掲げた。
新たな取り組みの一つが、店内のカフェで買ったコーヒーなどを飲みつつ買い物をするスタイルの提案。商品に飲み物がこぼれるリスクがあり、「従来の常識では考えられなかった」(豊田隆信そごう千葉店店長)が、来店動機を増やすのが狙いだ。
交流スペースとして、10月以降には卓球台も設ける。久保田俊樹そごう・西武取締役執行役員は「社内外から『これほど商品があるのに、買いたいモノはない』『店内にくつろげる場所がない』という声がある」と明かす。
そごう千葉店を取り巻く環境は厳しい。郊外にショッピングセンター(SC)が増えた影響で、そごう千葉店がある千葉駅周辺では、16年11月にパルコ、17年3月に三越が閉店した。そごう・西武の林拓二社長は業績不振の同社が「事業や商品領域のポートフォリオの見直しで生き残りを賭ける」中、ジュンヌ改装を「新しい施策の一番バッター」に位置付ける。
日本百貨店協会によると、16年の百貨店における衣料品の売上高は1兆8933億円。ここ10年間で約6割に減少した。
百貨店を主販路としているメーカーも対応を急ぐ。オンワードホールディングスはグルメ領域の通販や、オーガニック化粧品事業に参入した。三陽商会はブランドを絞り込み、17年1―6月期には商品単価を前年同期比で約7%引き下げた。岩田功社長は「百貨店中心の販路を見直す」と、ネット通販などの強化にも取り組んでいる。
百貨店にとって衣料品は利益率が高く、現在も売上高の3割を占めるカテゴリー。一方でファッションにお金をかける若者は減り、ネットなどに顧客を奪われている。安い商材なら売れるのか、“ファッションを捨てる”覚悟も必要なのか、試行錯誤が続く。
来店動機増やす
「わたしのキラキラは、お買いものだけでは増えない。」「おしゃれとおしゃべり どっちが好き?ってきかれたら、おしゃべりかな。」―。そごう千葉店はジュンヌ改装にあたり、“モノを売る”あり方を否定するかのような、挑戦的なコピーを掲げた。
新たな取り組みの一つが、店内のカフェで買ったコーヒーなどを飲みつつ買い物をするスタイルの提案。商品に飲み物がこぼれるリスクがあり、「従来の常識では考えられなかった」(豊田隆信そごう千葉店店長)が、来店動機を増やすのが狙いだ。
交流スペースとして、10月以降には卓球台も設ける。久保田俊樹そごう・西武取締役執行役員は「社内外から『これほど商品があるのに、買いたいモノはない』『店内にくつろげる場所がない』という声がある」と明かす。
そごう千葉店を取り巻く環境は厳しい。郊外にショッピングセンター(SC)が増えた影響で、そごう千葉店がある千葉駅周辺では、16年11月にパルコ、17年3月に三越が閉店した。そごう・西武の林拓二社長は業績不振の同社が「事業や商品領域のポートフォリオの見直しで生き残りを賭ける」中、ジュンヌ改装を「新しい施策の一番バッター」に位置付ける。
ネット通販強化
日本百貨店協会によると、16年の百貨店における衣料品の売上高は1兆8933億円。ここ10年間で約6割に減少した。
百貨店を主販路としているメーカーも対応を急ぐ。オンワードホールディングスはグルメ領域の通販や、オーガニック化粧品事業に参入した。三陽商会はブランドを絞り込み、17年1―6月期には商品単価を前年同期比で約7%引き下げた。岩田功社長は「百貨店中心の販路を見直す」と、ネット通販などの強化にも取り組んでいる。
百貨店にとって衣料品は利益率が高く、現在も売上高の3割を占めるカテゴリー。一方でファッションにお金をかける若者は減り、ネットなどに顧客を奪われている。安い商材なら売れるのか、“ファッションを捨てる”覚悟も必要なのか、試行錯誤が続く。
日刊工業新聞2017年8月15日