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プロの写真家が見たままを。キヤノン「大判プリンター」の表現力

中央には最高峰の写真画質の象徴「レッドライン」が
プロの写真家が見たままを。キヤノン「大判プリンター」の表現力

(左から)佐々木俊博部長、細川義之氏、島村順一郎室長の開発陣

 キヤノンの大判インクジェット(IJ)プリンター「imagePROGRAF(イメージプログラフ)PRO―2000/4000」は、正面中央部に「レッドライン」が配置されている。このラインは、カメラの交換式レンズにもあり、最高峰の写真画質を実現する製品の象徴だ。真栄田雅也社長が印刷物の画質をチェックし、最終的に12色インクで印刷する製品にのみ与えられた。

 「プロの写真家が、見たままを表現できるツールを目指した。一眼レフカメラ『EOS』との連携で、より力を発揮できる」と、大判インクジェット事業企画センターの細川義之氏は話す。

 画像は、撮影時には光がレンズや各種フィルターを通った時の影響、印刷時には紙にインクがにじむ影響を受ける。キヤノンは、カメラとプリンターの特徴を知り尽くしているため、最適な補正をかけて表現力を高められる。

 デザイン担当者は、大判プリンターを使う現場を訪問し、狭い場所での効率的な作業を実現するために何ができるかを考えた。例えば、現場ではスペース節約のため、プリンターの上に印刷物や予備インクなどを置いていた。

 そこで、新製品はプリンター上部を平らにし、傷が目立たない表面加工を施した。「ユーザーをよく知り、早い段階で設計と情報を共有した」(総合デザインセンターの島村順一郎室長)。

 また、狭い印刷現場では、何より小型化が求められる。IJヘッドを従来比で半分の大きさまで小型化し、これに合わせて他のユニットを最適化した。

 また、インクタンクの配置を、従来の印刷部分の横から後ろに変更した。B0ノビサイズの印刷に対応したPRO―4000は、従来品に比べ横幅で30センチメートルの小型化を実現した。
日刊工業新聞2017年8月21日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
設計開発を担当した大判インクジェットデバイス開発センターの佐々木俊博部長は、「カメラ側ともっと連携できないか、表現力をもっと高められないか、研究している」と話す。最高画質の追求が続いている。 (日刊工業新聞第一産業部・梶原洵子)

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