依然「モンハン」が強いカプコン、スマホゲームでは後手?生き残り戦略を聞く

スマホゲーム、課金か買い切りか

「東京ゲームショウ2016」で、来場者がVR対応のバイオハザード7を試す

 「モンスターハンター」シリーズなど家庭用ゲーム機向けソフトで数々のヒット作を持つカプコン。しかし、スマートフォン向けゲーム市場が成長を遂げる中、後手に回っている印象を受ける。競争の激しいゲーム業界で、カプコンが今後どのように存在感を高め、生き残っていくのか。辻本春弘社長に現況、将来展望などを聞いた。 ―VR(仮想現実)対応のゲームを発売しました。 「2017年早々にソニーのプレイステーション向け機器『プレイステーションVR』に完全対応の『バイオハザード7』を発売した。我々はゲーム専用機にヒット作を持つ。バイオハザード7にかける期待は大きい。プレステVRをけん引するソフトに育てたい」 ―インターネット経由でゲームを配信するダウンロードコンテンツ(DLC)事業に力を入れています。 「パッケージ販売は在庫管理が必要だが、DLCは管理が不要で利益率が向上する。加えて、各国・各地域のダウンロード数が瞬時に分かるので今後の販売戦略に役立てやすい」 ―DLCの戦略は。 「ビッグデータを解析してダウンロード数と課金率を上げる。実験的に、価格を下げてみたり発売時期を変えてみたりして動向をみる。ビッグデータを解析する体制は整備した。17年度からゲーム開発に生かす」 ―スマホゲームでのビッグデータ活用は。 「16年度から1日のダウンロード(DL)数や課金額のデータを蓄積している。DL数や課金率が増える傾向が分かってきた」 ―東南アジアのパソコン(PC)オンラインゲーム戦略は。 「成長分野ではない。東南アジア市場はパソコンやスマホを使ったゲームが主流だが、ゲームは本来専用機で遊ぶのに適している。所得水準が向上すると、大画面テレビで楽しむ人が増える。PCオンライン市場は拡大しているが、長い目で見ると専用機が売れるので、長期的な戦略に立って、東南アジアでは専用機への対応を継続する」 ―追加課金のないスマホ向けの「買い切り型ゲーム」が注目を集めています。 「ダウンロード無料で追加課金制のゲームは間口を広げるには効果があるが、一部の課金ユーザーで収益を上げないといけない。買い切り型は最初に課金すると追加課金がないので、開発予算や売り上げの見通しを立てやすい。恋愛シミュレーションゲーム『囚われのパルマ』はその成功例。中国語対応し、アジア展開も進める」 【チェックポイント/消費動向解析、開発に生かす】 「ビッグデータ分析は重要な戦略」と強調する。苦戦が続くスマホゲームだが、一部タイトルで活用したところ、ダウンロードランキングが上位に常時ランクイン。「データ分析が実を結んだ」とする。買い切り型ゲームも登場し、マネタイズも多様化するなかで、消費者動向を解析した戦略的なゲーム開発に期待したい。 (文=大阪・大城蕗子)

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