健康と味を両立!食べてみたい“社食”はどれ?

「スマートミール」の認証を受け、栄養バランスの取れた食事を提供

忘年会や新年会が続き、食べ過ぎや飲み過ぎになりがちな年末年始。暴飲暴食で疲れた内臓を休める間もなく仕事始めとなった人も多いはず。健康経営に力を入れる企業の社員にとっては、社員食堂が強い味方となる。健康増進につながるさまざまなメニューを提供しているからだ。社員の健康は企業が持続的に成長する上で重要な要素であり、今後も健康経営の一環で社員食堂を充実させる企業が増えそうだ。 アシックスは2019年4月、日本栄養改善学会などによるコンソーシアムが実施する「スマートミール」の認証を受けた。社員食堂では、エネルギー量や料理の組み合わせ、食塩相当量などの基準を満たし、主食、主菜、副菜の栄養バランスが取れた食事を提供している。 1年のうち4カ月間は、健康診断の結果を基に保健師や管理栄養士が考案した健康メニュー「Sanaランチ」が登場する。ICチップを搭載した社員証を読み取り機にかざすと、個人の栄養摂取状況を管理することができる。スマートミールを食べるなど一定の基準を満たした社員にはコーヒー券をプレゼントするなど健康意識の向上につなげている。 ロート製薬が運営するレストラン「旬穀旬菜(しゅんこくしゅんさい)カフェ」(東京都港区)では、季節の野菜をふんだんに使った薬膳ランチが食べられる。社員に健康的な食事を楽しんでもらおうと大阪本社で始まった取り組みだが、料理の評判が上々で一般客にも提供を始めた。 一汁三菜(主菜と副菜2種)に玄米ご飯か白飯が付く日替わりご膳が人気で、限定10食の薬膳カレーも複数の香辛料が深い味わいを出す。いずれも「国際薬膳師」の資格を持つスタッフによるオリジナルメニューで、季節ごとの体のコンディションを整えられる野菜を使うことを心がけているという。 ファンケルの社員食堂「ファンケル学べる健康レストラン」のランチメニューは、おいしさと健康の両立が特徴だ。塩分を2グラム前後に抑え、脂質をコントロールしながら食物繊維など1日に必要な栄養素を満たしている。 レストラン開設は青汁や発芽米といった自社商品の経営資源を生かせないかと考えたのがきっかけだ。ランチは1日当たり平均300食を提供。食堂ではモニターでメニューに含まれる栄養を表示する工夫も行っている。 同社は社員向け健康メニューの開発を通じ、減塩調味料などの商品化にも積極的に取り組む方針だ。 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発した機能性弁当「NARO Style弁当」を民間企業で初めて採用したのは島津製作所だ。内臓脂肪を減らす効果があるという農研機構開発のもち麦「キラリモチ」を白米に50%混ぜたご飯や、血糖上昇の抑制作用があるというメチル化カテキンを含有する「べにふうき緑茶」などを使用している。 おかずは日替わりで、野菜にはタキイ種苗(京都市下京区)が育成した機能性成分を多く含む健康野菜「ファイトリッチ」シリーズも採用されている。健康経営の一環で、生活習慣病の予防が目的。社員からは「もち麦をよくかむと甘みが出ておいしい」などと好評だ。 SCSKは、社員食堂でサラダやおかずなどを1グラム1.2円で提供する「グラムデリ」を用意する。約20品目から選ぶバイキング形式で、社員がその日の気分に合わせて好きな量を皿に盛ることができる。 社員食堂では日替わり定食だけでも5種類ある。どんぶり、カレー、パスタ、ラーメンなども毎日2種類を提供するなど多彩なメニューを並べるが、総務部の小島潤一課長は「グラムデリが1番人気。食堂利用者の25%が手にする」と話す。 社員食堂の充実は「健康経営が進む中で、社員の健康を食から実現する」(牲川仁孝総務部課長代理)ことにつながっている。女子栄養大学が監修したヘルシーメニューも週に数回提供するほか、食堂とは別の弁当屋と契約しヘルシー弁当の販売も行う。「社員がおいしいモノを食べて幸せになることと健康を両立していきたい」(小島課長)と話す。 大日本印刷も女子栄養大学の学食をアレンジした「女子栄養大ランチ」を12年から社員食堂で提供している。以前の健康メニューは選択率が5%程度と低く、新食堂の開設に合わせてメニューを刷新した。選択率は現時点で約16%まで高まり、リピーターも多いという。 同ランチは現在全国20カ所の社員食堂で提供している。メニューは日替わりで、鶏肉の揚げ物や油で揚げない豚カツなどが人気。副菜や具だくさんのみそ汁で不足しがちな野菜を補い、かみ応えがある胚芽米で満腹感を得やすくしている。 大量調理しやすい作業手順や肉よりも原価が高い魚でボリュームのあるレシピの考案など、試行錯誤を続けている。レシピ開発を担うDNPファシリティサービスの仲丸裕士メニュー企画開発室長は「今後はパンや麺も全部ヘルシーにしたい」と意欲的だ。

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