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新作登場のスティック型掃除機、好調はどこまで続くか

シャープと日立グローバルライフソリューションズが新機種投入、キャニスター型は・・・?
**吸引力強化で買い換えを狙う
 シャープは2日、吸引力を同社従来品比1・5倍に高めたコードレススティック掃除機「ラクティブ・エア・パワー=写真」を25日に発売すると発表した。吸引力を高めることで、従来型のコード付キャニスター掃除機からの買い替え需要を取り込む。消費税抜きの市場想定価格は8万円前後から。月産7000台を計画する。

 大容量・高電圧の25・2ボルトバッテリーなどを採用し、吸引力向上を実現した。壁際を掃除する際、バンパーが自動検知し一時的に吸引力を高める機能も持つ。

 国内の掃除機市場は、2018年度にコードレス型の出荷台数割合がキャニスター型を上回った。キャニスター型は、コードをコンセントにつなぎ、本体を連れて回るタイプ。シャープはコードレス型の強化により、ラクティブ・エアシリーズの累計販売台数を、21年度に現在の2倍超となる100万台に高める考えだ。

日刊工業新聞2019年7月3日



ひと工夫でゴミ捨てを簡単に


          

 日立グローバルライフソリューションズ(東京都港区、谷口潤社長、03・3502・2111)は、ゴミ捨てが簡単にできる新機能を搭載したコードレススティック型掃除機「パワーブーストサイクロン」2機種を8月10日に発売する。市場想定価格は、スタンド式充電台や7種類のツールが付属する「PV―BH900G=写真」が9万円前後(消費税抜き)。5種類のツールが付属する同500Gは6万5000円前後(同)。

 消費者のニーズを反映した新機能を搭載。「ごみダッシュ機構」は、取っ手のレバーを引くだけで集めたゴミを簡単に、ホコリの舞い上がりを抑えながら捨てられる。使用中のモードと同じボタンを押すと吸引力が約5秒間上がる「ターボモード」も搭載。カーペットの奥に入り込んだゴミの取り残しを防ぐ。

 スティックを伸ばした時の大きさは、長さ308ミリ×幅255ミリ×高さ1012ミリメートル。延長パイプやヘッドを含めた標準質量は約2キログラム。連続使用時間は標準運転で約40分、強運転では約10分。

日刊工業新聞2019年7月5日



実はキャニスター型も新作を発表


          

 日立グローバルライフソリューションズ(東京都港区、谷口潤社長、03・3502・2111)は、本体質量2・5キログラムのシリンダー型サイクロン式掃除機「パワかるサイクロン」2機種を27日に発売する。本体やコードの軽量化で操作性を向上した。紙パック式掃除機「かるパック」の新機種も同時に発売する。月産台数は3機種合計で2万3000台を計画する。

 パワかるサイクロンの市場想定価格は、ゴミ捕集率99・999%の「CV―SP900G=写真左」が8万5000円前後(消費税抜き)。同99%の「同300G=同右」が6万円前後(同)。かるパックの新機種「CV―KP900G」も6万円前後(同)を想定する。

 パワかるサイクロンの大きさは、幅225ミリ×高さ287ミリ×長さ300ミリメートル。高性能小型ファンモーターを搭載し、軽量化と高い吸引力を両立した。ダストケースの集じん構造も従来製品から改良。中心部に髪の毛などが絡まりにくく、ケース内の部品は分解して水洗いできる。

 かるパックの新機種は、上ふた部のデザインを改良して意匠性を高めた。同社によると、近年は居住空間になじむデザインが好まれやすいとしている。

日刊工業新聞2019年7月3日

日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
日本電機工業会(JEMA)によると、5月の電気掃除機出荷台数は28万5000台(前年同月比17.3%減)と5カ月連続減少していますが、スティック型は好調を維持しています。一方のキャニスター型も、バッテリーの残量を気にせず使えることから人気はまだ根強い模様。日立グローバルライフソリューションズによると、掃除機を収納せずに出している人が増えていることから、デザイン面での改良が進んでいるそうです。

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