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「ダム盛土工事」全自動化を実証、日野自動車と大林組が得た効果

「ダム盛土工事」全自動化を実証、日野自動車と大林組が得た効果

実証実験を行った新丸山ダム建設現場の荷下ろしエリア

日野自動車大林組と共同で、ダムの盛土工事を全自動化する実証実験を行い、安全性や作業効率向上の効果を得た。両社共同の実証実験は2020年以来2度目。前回の結果を踏まえて日野自の自動運転ダンプトラックに、他車両との相対位置把握や高精度な正着制御といった新技術を搭載するなど改良を加えた。建設工事のデジタル変革(DX)で生産性を向上。建設現場の人手不足など社会課題の解決に向け、実用化の検討を進める。

実証は新丸山ダム(岐阜県八百津町、御嵩町)の建設現場で実施した。使用した日野自の自動運転ダンプは、特定条件下で運転を完全自動化する「レベル4」相当の車両。ほかに自動・自律運転タイプのブルドーザーや油圧ショベル、有人運転タイプの建設機械・ダンプなどを使用した。開発中の大林組の管理システムを用いて、これらの車両が連動し協調運転するように制御。土砂の掘削、積み込み、運搬、敷きならし、転圧といった盛土工事を全自動化した。

建設業界では現場作業員の高齢化や就労人口の減少による労働力不足が課題。夜間作業や単調作業の生産性向上が求められている。

日刊工業新聞 2024年03月01日

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