トヨタ「ミライ」採用技術を応用、大林組が高圧容器で水素搬送を実証
大林組は福島県浪江町で取り組む「既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」において、水素ステーションで最高充填圧力70メガパスカルの高圧容器に70メガパスカルまで水素を充填、搬送する実証運用を始めた。エネルギー・マネジメント・システム(EMS)の高機能化などにより水素供給ネットワークの環境性・経済性・安全性を一段と高め、水素サプライチェーン(供給網)拡大や水素利用の普及を図る。
トヨタ自動車が燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」で採用している高圧水素貯蔵技術を応用。これまでの実証運用では19・6メガパスカルの容器で水素を搬送していたのに対し、最高充填圧力70メガパスカルとより高圧の容器を使い、トラック搬送による供給ネットワークの構築、実証を進める。
容器による搬送のほか、水素パイプラインを経由した燃料電池への供給も実施。水素パイプライン敷設の新工法の実証にも取り組む。
新工法の開発は古河電気工業と共同で行い、樹脂製の雨水側溝を改良してパイプラインやケーブル用の配管トレンチとして利用。パイプライン敷設工事のコストや工期の削減を図る。
日刊工業新聞 2024年01月23日