日野自動車が「大型」出荷再開も…トラック販売、11カ月ぶり前年割れの背景
トラック業界関係者がまとめた1月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比1・8%減の3954台となり、11カ月ぶりに前年同月を割り込んだ。部品不足の解消や、日野自動車で型式指定を再取得した大型トラックの出荷再開などプラス要因はあったものの、架装メーカーの生産能力不足によりリードタイムが長期化している。業界関係者は「(3954台は)かなり低い水準」とみる。
特に中型トラックの販売が前年同月比32・1%減の981台と落ち込みが目立った。いすゞ自動車を除く3社が大幅に前年同月を下回った。同58・1%減の250台にとどまった日野自は「新型モデルへの生産の切り替え準備に時間を要した」と分析。加えて全体的にリードタイム長期化が影響していることも背景にある。
大型トラックでは、いすゞが同14・2%減、UDトラックスが同20・9%減だった。日野自は大型エンジン「A09C」搭載の大型トラック「プロフィア」の出荷再開により前年同月比2・6倍と大幅増。順調にシェアを取り戻しつつある。
日野自の中野靖最高財務責任者(CFO)はリードタイム長期化の解消に向けて「架装メーカーに当社の生産計画を事前に伝え、計画通りに届けるやりとりを通じ、架装生産のボトルネックが解消するよう取り組んでいる」と説明する。
日刊工業新聞 2024年02月06日