ワンマン運転をAIがお助け。東急電鉄が実証するシステムの中身
東急電鉄とパナソニックコネクトは駅ホーム上の乗降監視カメラの映像を人工知能(AI)で解析し、ホームにいる駅係員の手合図を検出する実証実験を開始した。車いす利用客などの電車乗降時の介助の開始と終了を伝える合図を検出する。ワンマン運転を行う運転士の安全かつスムーズな閉扉判断を助ける狙い。東横線の都立大学駅と多摩川駅で実施する。期間は3月末まで。
現在ワンマン運転車両で乗客の乗降介助を行う場合、駅係員が赤い手袋と反射ベストを着用し、運転士に両手を交差させるバリアフリー合図を送る。終了時は片手を上げて合図する。運転士は車内モニターで確認し、放送で認識した旨を駅係員に伝えている。
実証実験ではAI画像解析でこの手合図を検出し、車内モニターに「手合図検知」の文字を表示することで、視認性を高める。また、実験を通じてAIの学習を行い、検出精度を高める。今後、駆け込み乗車などの検出も検討する。
東急電鉄は将来の労働力不足をにらみ、先進技術を活用したオペレーション変革を進めている。東横線では2023年からワンマン運転を行っている。
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日刊工業新聞 2024年02月02日