トヨタ自動車系中堅部品メーカー６社が１日発表した２０２３年４―１２月期連結決算は、主要取引先であるトヨタの生産台数回復などにより全社が増収、営業損益も増益または黒字転換となった。日本や北米は生産が好調な一方、中国市場の低迷など不確定要素が懸念材料だ。

東海理化は「北米はじめ海外で価格転嫁が進み、台数もしっかり出ている」（篭橋栄治収益改革本部長）ことで通期の売上高と全利益段階を上方修正。フタバ産業は「日本、北米などで部品不足が緩和し生産が回復している」（今井英樹経理・財務本部副本部長）状況を踏まえ、各利益段階を上方修正した。

一方で中国市場がリスクだ。大豊工業は中国の景気減速などに伴いアジア地域での販売が予想を下回り、売上高と営業利益を下方修正した。延川洋二執行役員は「特にタイで内燃機関車の売り上げが落ちている」と説明。

愛三工業の加藤茂和取締役も「中国市場が１月に入って冷え込んでいる。不確定なことが多く、数字をつくる情報がない」と通期業績予想を据え置いた。

ダイハツ工業や豊田自動織機の認証不正による影響も出ている。ファインシンターの小林努取締役常務執行役員は「２社合わせて売り上げで３億―４億円の影響を想定し、柔軟な生産対応を考える」とした。東海理化はダイハツについて「１―３月に国内で稼働ゼロとしたときに売上高で３０億円、利益で１０億円ほどのマイナスを見込む」（篭橋本部長）。

中央発條は２３年１０月に藤岡工場（愛知県豊田市）で発生した爆発事故について、小出健太社長は「建屋や設備の復旧、生産のバックアップなど総額で１３億円の費用を見ている」と述べた。