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リコーと東芝テックは部門統合、OA業界の合従連衡さらに進むか

リコーと東芝テックは部門統合、OA業界の合従連衡さらに進むか

オフィスでの印刷需要の縮小が予想されている

5月、リコー東芝テックが両社の開発・生産部門の統合計画を発表した。2024年4―6月に共同出資会社を設立し、プリンターや複合機の共通エンジンを開発する。出資比率はリコーが85%、東芝テックが15%。ペーパーレス化の潮流に伴って産業界で印刷需要の縮小が見込まれる中、規模の優位性を生かしてコスト競争力を向上する狙いだ。

中小企業をはじめとするオフィスに強いリコーに対して、東芝テックは流通・製造・小売業の現場に強みを持つ。共同出資会社設立後も、それぞれの特性を生かした販売体制は維持する。A3レーザー複合機の世界シェアは、トップのキヤノンを抑えて20%超となる。共通エンジンの活用や製造量の上積みにより生産性も高める。

A3レーザー複合機のシェア(2022年)

複合機には光学や画像処理に加え、紙搬送や化成品など多様な技術が不可欠。新規参入や追随が難しい側面があり、日本勢が世界シェアの8割を持つ。一定程度のシェアを持つメーカーにとっては危機感を感じにくい環境とも言えるが、今後は年に数%ずつ印刷需要が減少する見通しで、安泰ではない。デジタル変革(DX)に資するITソリューションの販売などで事業の多角化を推進することが事務機器(OA)業界全体で喫緊の課題となっている。

ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)によると、23年7―9月の複写機・複合機の出荷額は、前年同期比15・1%減の2070億円だった。中国経済の減速や欧米のインフレの影響などで需要が停滞している。流通市場の在庫調整にはしばらく時間がかかりそうだ。

22年度のOA業界では半導体を中心とする部品不足の対応が進んだことや、販売価格の引き上げが各社の利益につながった。23年度は部品不足が解消して製品供給量は正常化したものの、今度は需要が振るわず価格競争が再発している。各社は足元の環境変化に対応しつつ、将来を見据えた合従連衡などの検討も求められる。

日刊工業新聞 2023年12月18日

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