東芝は赤字転落も…電機メーカー8社の4-9月期は本業堅調、ソニー・日立は?
電機8社の2023年4―9月期連結決算が14日出そろい、本業の堅調さや為替の円安傾向、価格転嫁の進展などにより、日立製作所、パナソニックホールディングス(HD)、三菱電機、NECの4社が当期増益となった。ソニーグループは売上高が前年同期比19・3%増の5兆7922億円と過去最高を更新した。ゲームや映画、音楽事業が好調だったほか、円安効果で幅広い事業の売り上げが底上げされたことも寄与した。
14日に23年4―9月期連結決算(米国会計基準)を発表した東芝は、減収当期赤字に転落した。エネルギーやインフラ事業などは堅調だったものの、持ち分法適用会社のキオクシアHDの業績が大幅に悪化したことなどを受け、521億円の当期赤字(前年同期は1006億円の黒字)となった。24年3月期連結業績予想は据え置いた。
ソニーGの23年4―9月期連結決算は増収当期減益。ゲーム事業が増収営業増益となったが、金融事業は大幅な営業減益だった。ソニー生命の損益が市況変動で悪化したことなどが響いた。
日立は事業再編の影響で減収となったが、当期利益は前年同期比2ケタ増。送配電事業などの業績が好調だった。「エネルギーセクターが何十年に一度のスーパーサイクルに入っている」(河村芳彦副社長)とし、23年度下期も引き続き同事業の受注が好調を維持すると見込む。
パナソニックHDは23年4―9月期の当期利益が同2・7倍の2883億円。米インフレ抑制法(IRA)に基づく補助金などが利益を押し上げた。三菱電機は空調や家電、自動車機器、パワー半導体の需要が堅調だったことに加え、円安や価格転嫁などが寄与し、増収当期増益だった。
富士通は増収当期減益となった。主力のサービス事業が製造業や金融業、官公庁向けで受注が拡大したものの、デバイス事業は大幅な減益となった。NECはITサービス分野で旺盛な国内IT需要を取り込んだほか、社会インフラ分野で防衛の大型案件を獲得したことなどを受け、増収当期増益だった。
シャープはスマートフォン向けの中小型のディスプレーデバイスの苦戦などで、減収当期減益となった。