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日本製紙・大王製紙・三菱製紙が営業黒字転換、製紙メーカー値上げ奏功

日本製紙・大王製紙・三菱製紙が営業黒字転換、製紙メーカー値上げ奏功

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13日出そろった製紙6社の2023年4―9月期連結営業利益は、日本製紙大王製紙、三菱製紙が黒字転換し、レンゴーと北越コーポレーションが増益、王子ホールディングス(HD)が減益となった。諸物価高騰に伴う顧客の経費削減などで紙・板紙の販売数量は低迷しているが、製品値上げが浸透した。通期では為替の円安傾向があるが、原燃料価格の影響は総じて緩和。海外パルプ市況下落や中国経済低迷が減益要因となる企業もある。

製紙6社 2023年4-9月期

23年4―9月期で営業黒字に転換した3社は、製品価格の改定やコスト低減の効果が奏功した。大王製紙は当初予想比24億円多い74億円の黒字(前年同期は72億円の赤字)、三菱製紙は同9億円多い19億円の黒字(同4億円の赤字)。日本製紙は48億円の黒字(同119億円の赤字)だった。

原燃料価格が営業利益に及ぼす影響は、多くの企業では前年同期の半減程度に改善し、下期(10月―24年3月期)にはプラスに転じる企業が少なくない。

通期業績予想の営業利益は、北越コーポが従来予想比20億円増の130億円(前期比24・8%減)に上方修正。王子HDは同180億円減の820億円(同3・3%減)、大王製紙は同40億円減の140億円(前期は214億円の赤字)に引き下げた。

北越コーポは製品輸出での円安効果のほか、海外の海上運賃が想定より低く済む見通し。大王製紙は中国で長期化する経済不振により、おむつなど家庭・個人向け用品などが影響を受ける見通しで「エコノミーゾーンへの移行などを急ぐ」としている。

三菱製紙は経常利益を従来予想比10億円増の75億円(前期比2・4倍)に上方修正した。組織再編などに伴うコスト低減効果が当初想定を上回る予想だ。

日刊工業新聞 2023年11月14日

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