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三菱マテ・JX金属…非鉄メーカー8社中6社が当期減益になった要因

非鉄8社の2023年4―9月期連結決算は、6社が当期減益となった。半導体や情報通信関連材料の需要減の影響を受けた。通期見通しは為替の円安効果などで6社が売上高を上方修正したが、上期の減益要因となった半導体、情報通信関連需要の本格回復は、24年度以降になる見通しだ。

非鉄8社 2023年4-9月期

三菱マテリアルの小野直樹社長は「半導体市場はデバイスメーカーの売り上げが下げ止まり、需要は鍋底曲面が続いている」と言及。当初23年度下期からの回復を見込んでいたが、24年度上期までずれこむと見る。半導体関連の減販などにより、通期の営業利益は5月公表比100億円減の400億円とした。

JX金属も通期の営業利益を下方修正。スパッタリングターゲットなどの半導体材料や、銅箔などの情報通信材料の減販を主因に、5月公表比50億円減の850億円を見込む。

住友金属鉱山は、車載用電池材料の増販の一方、スマートフォンやパソコンの出荷台数減少の影響を受けて電子部品向け需要が低調に推移した。材料部門の通期のセグメント利益は40億円の赤字と予想する。中国市場の回復は「24年度以降になる」(矢野三保子執行役員)見通しだ。

東邦亜鉛は当期純損失を300億円の赤字に下方修正。24年末までに豪州のラスプ鉱山を閉山することに伴う209億円の減損の計上などが響いた。23年4―9月期は古河機械金属のみ増益。海外での販売の割合が多いロックドリル部門で円安効果が生じた。


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日刊工業新聞 2023年11月14日

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