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コンクリート製造のCO2を80%削減、竹中工務店が万博建築物に初適用

コンクリート製造のCO2を80%削減、竹中工務店が万博建築物に初適用

大阪・関西万博の仮設建築物の基礎部材に適用

竹中工務店は19日、製造工程で排出される二酸化炭素(CO2)を通常に比べて80%以上削減できるコンクリートを開発したと発表した。CO2の削減・固定・吸収の各要素技術を組み合わせることで実現した。2025年大阪・関西万博で、実際の建築物の基礎部材として初めて適用される。

CO2の削減技術は、高炉スラグ微粉末を用いたセメントを通常のセメントに代えて適用することで、CO2排出量を6割程度減らせる。固定技術は、コンクリート解体材に含まれるカルシウム分にCO2を固定させ、コンクリート用骨材や微粉として使用する。吸収技術は、CO2を効率良く吸収して硬化体を緻密化する特殊混和材をセメントに混合し、硬化後にCO2を吸収・固定する。これらの技術の組み合わせが異なる4種類があり、いずれも大阪・関西万博の仮設建築物の基礎部材として適用される。

今回の部材開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトによる成果。万博終了後も基礎部材としての技術検証を行い、長期的な使用に伴うコンクリートの強度や耐久性などの特性変化の調査に活用する。

日刊工業新聞 2023年10月20日

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