清水建設が実工事に初適用、バイオ炭コンクリのCO2削減力
清水建設は、炭化させた木質バイオマス(バイオ炭)を使って自社開発した環境配慮型コンクリートを実際の工事現場に適用した。中日本高速道路が発注した「新東名高速道路川西工事」で、場内工事用道路の仮舗装コンクリートの34・5立方メートルに使用し、定量的な二酸化炭素(CO2)削減量は6・7トンだった。今後、バイオ炭コンクリートの適用範囲を広げ、仮設構造物だけでなく、擁壁や橋台などのコンクリート構造物にも適用を目指す。
バイオ炭コンクリートは、バイオ炭をコンクリート1立方メートル当たり20キロ|80キログラム混入した環境配慮型コンクリート。バイオ炭の混入量1キログラム当たり、2・3キログラムのCO2を固定化できる。低炭素セメントとの併用により、CO2の削減量が製造時の排出量を上回る「カーボンネガティブ」の実現が可能だ。
バイオ炭コンクリートは施工性、現場でのポンプ圧送に対応できる流動性を備えている。現場ではこれら性能に加え、強度についても普通コンクリートと遜色ないことを確認した。
日刊工業新聞 2023年02月22日