鹿島が高速道路の橋脚工事に初導入、「カーボンネガティブコンクリート」埋設型枠のスゴい効果
鹿島は9日、大阪市福島区で手がける高速道路の橋脚工事で、二酸化炭素(CO2)の吸収量が製造過程の排出量を上回るようにしたカーボンネガティブコンクリートによる埋設型枠を初めて導入したと発表した。通常排出されるCO2を100%削減した上で、10%のCO2を吸収。併せて埋設型枠を利用することで脱枠作業も省略し、橋脚工事の工程合理化も実現した。
鹿島が独自開発したカーボンネガティブコンクリート「CO2―SUICOM」を埋設型枠に活用。型枠製造時に炭酸化養生させることで、1立方メートル当たり229キログラムのCO2を吸収させた。これにより、セメントや骨材など材料に起因する型枠の実質的なCO2排出量を1立方メートル当たりマイナス22キログラムとした。橋脚1基当たり約59キログラムのCO2を固定化した計算となる。
CO2―SUICOMは、コンクリートの主原料であるセメントの大半を産業副産物やCO2と反応・硬化する特殊な混和材で代替したもの。CO2ガス環境下で強制的に養生することで、コンクリートが固まる過程でCO2を吸収・固定化できる。
日刊工業新聞 2023年05月10日