コロナ禍で「取引先廃業」37.5%に上る
東京商工リサーチ(TSR)が企業を対象に実施したアンケート調査によると、新型コロナウイルス感染拡大の企業活動への影響について「影響が継続している」とした企業は34・4%だった。6月の前回調査に比べ2ポイント改善し、2020年8月以降の調査で過去最低となった。一方、コロナ禍で取引先の廃業を経験した企業が37・5%に達しており、コロナ禍以前の状況までには回復していないとみられる。
新型コロナの「影響が継続している」と回答したのは大企業で30・2%、中小企業で35・0%だった。いずれも過去最低を更新した。一方、全体で「影響が出たが、すでに収束した」としたのは39・2%だった。
また直近1年間で取引先(仕入れ先・外注先、または販売先・得意先)について「廃業があった」とした企業が37・5%。業種別で分析すると「織物・衣服・身の回り品小売業」と、百貨店やスーパーなどの「各種商品小売業」が最多で、取引先に廃業があったと70・0%が答えた。
取引先のうち「販売先(得意先)の廃業があった」と回答した企業は22・4%。その受けた影響として「売上高が減少した」が51・7%で最も高く、また「貸し倒れ(焦付)が発生した」は28・2%だった。
TSRは「新型コロナの分類が『5類』に移行し、インバウンド(訪日外国人)需要も活性化してきたが、コロナ禍以前の業績に戻すのは容易ではないようだ」としている。
調査は8月1―9日にインターネットで実施。有効回答5940社を集計・分析した。
日刊工業新聞 2023年08月18日