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水素・アンモニア導入促進・生成人工知能AI開発強化…経産省がまとめた重点政策案の中身

水素・アンモニア導入促進・生成人工知能AI開発強化…経産省がまとめた重点政策案の中身

4日に開催された産構審の総会

新興支援でイノベ推進

経済産業省は2024年度の重点政策案をまとめた。水素・アンモニアの導入促進や生成人工知能(AI)の開発強化など先端分野で国内投資を拡大し、スタートアップ支援などでイノベーションを推進する。人手不足の対応や賃上げ、中小企業の支援も盛り込んだ。

産業構造審議会(経産相の諮問機関)の総会で示した。グリーン・トランスフォーメーション(GX)では次世代革新炉の開発・建設、蓄電池・部素材・製造装置の生産基盤の拡大、ペロブスカイト太陽電池・浮体式洋上風力への支援なども掲げた。脱炭素と産業競争力の両立に向けた投資を、政府が発行する「GX経済移行債」を活用して後押しする。

デジタル分野では計算処理の省電力や高度化につながる先端半導体や先端パッケージ、半導体製造装置・部素材の生産基盤整備を盛り込んだ。生成AIの開発力強化のために、計算資源確保に向けた投資を後押しする。

産業革新投資機構(JIC)によるリスクマネーの供給、次世代半導体のユースケースを創出するスタートアップへの支援などを通じてイノベーションも推し進める。

人手不足の対応として中小企業の自動化・IT化支援を掲げた。税制や補助金による賃上げ支援も続ける。工業用水など産業インフラ整備、中小企業の事業再構築・生産性向上、資金繰り支援などにより、地域企業の発展や投資環境整備を進める。半導体など国内投資案件の増加で、工業用水の確保が課題になっている。

政府の大規模な支援策を背景に過去最高水準の国内投資が見込まれており、高水準の賃上げも進む。

西村康稔経産相は「潮目の変化が生じている今こそ、日本の経済構造改革を図って成長軌道に乗せる」とし、国内投資とイノベーションと所得向上の好循環を目指すとしている。

日刊工業新聞 2023年08月07日

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